アトレティコ・マドリーは、ついに正式な意味でクラブ世界王者を名乗ることができるようになりました。これまでは“名誉的なタイトル”として扱われ、広く使用されてはいたものの、公式の位置づけではありませんでした。しかし、FIFAが1960年から2004年までのインターコンチネンタルカップ優勝クラブを「正式なクラブ世界王者」と認定したことで、その名乗りが法的にも有効となりました。
スポーツ弁護士マルセロ・ビー・セジャレス氏は、FIFAの決定内容を紹介しながら「インターコンチネンタルカップは世界タイトルとしての有効性を保持する」と述べ、「クラブワールドカップはその後の形式として存在するものであり、このタイトルを代替するものではない」と説明しています。これは、アトレティコ・マドリーが1975年に勝ち取った大会のスポーツ的価値を回復し、長年公式に認められてこなかったクラブへの歴史的な“負債”を是正するものです。
おそらくアトレティコ・マドリーが獲得した中でも最も重要なタイトルと言えるのが、この1975年のインターコンチネンタルカップです。当時、ヨーロッパ王者のバイエルン・ミュンヘンは、アベジャネーダのインデペンディエンテとの対戦を辞退。その代わりに、1974年のヨーロッパカップ準優勝クラブであるアトレティコが出場しました。
試合結果は、ブエノスアイレスで1-0、そして4月10日のビセンテ・カルデロンでハビエル・イルレタと“ラトン”アジャラのゴールによる2-0でした。アトレティコのケースは非常に特別で、ヨーロッパカップ(現チャンピオンズリーグ)を制していないにもかかわらず、世界王者に輝いた唯一のクラブという立場になります。
今回のFIFAによる公式認定により、長年続いた歴史的な議論に終止符が打たれ、アトレティコ・マドリーはその豊富なタイトルの中に、さらに強力な称号を加えることになりました。インターコンチネンタルカップ自体も国際大会として評価されていましたが、今回“正式な世界王者”としての位置づけが加わったことで、その価値は一層高まったと言えます。

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