「チョロはあらゆる面で私を成長させてくれました。彼と共に私のサッカー人生最高の瞬間を過ごしました」

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30歳となり、父親になったことで人生の最も幸せな時期を迎え、成熟した状態でスペイン代表に復帰したマルコス・ジョレンテは、多くの人とは異なる視点からサッカーを見ています。アトレティコ・マドリーでの活躍により、前回のユーロで優勝チームの一員になりかけながらも突然閉ざされた代表の扉が再び開きました。未練も「胸のつかえ」もなく、彼は2026年のワールドカップを見据え始めています。

マルコス・ジョレンテにとっての幸福は、彼のライフスタイルにあります。築き上げた家族、習慣。食生活や日光を浴びる時間、人工光を避けるため日中は黄色、夜は赤色のレンズを使うメガネなど、サーカディアンリズムを重視することを含め、彼の信念は議論を呼び、世間のイメージとは異なる人格像をつくり出してきました。

しかし、マルコスは気にしません。「理解したい人はすればいいし、しない人はしなくていいんです」。彼は科学的根拠に基づいており、「健康はサッカーよりも大事です」と公言します。EFEとのインタビューでは、彼が考える自身の職業観について語り、真の幸福は家に帰ったときにあると話しています。

代表復帰、もう期待していなかった時期の復帰ですが?
「スペイン人で、ビッグクラブでプレーしていて、調子が良ければ、いつでも代表に呼ばれることを期待するものです。前回呼ばれた時は本当に驚きました。長い間呼ばれていませんでしたし、代表の輪から外れていましたから。でも前回に続いて今回も呼ばれて、とても快適に過ごしています。繰り返し呼ばれることは重要ですし、最大限楽しみたいです」

以前『代表にいてもいなくても同じくらい幸せだ』と言っていました。ほかの選手なら言わないようなコメントですが、誤解されませんか?
「関係ありません。私の幸福は代表に来ることに依存していません。私は素晴らしい人生を送っていて、とても幸せです。代表に呼ばれなかった週でも、別に悲しくはなりません。それと、代表に来ることがうれしくないという意味では全くありません。誇りを持って来ています。でも私は幸せな人間なんです。呼ばれようが呼ばれまいが私はずっと幸せです。理解したい人は理解すればいいし、そうでない人はそれで構いません」

その幸福に、父親になったことの影響はどれくらいありますか?
「とても大きいです。子どもができると、本当に何が大事なのかが分かります。パートナーと娘と一緒にいられてとても幸せです。強い絆、平穏、安心、そして信じられないほどの愛。それが私を幸せにしてくれます。代表に来るのは素晴らしいことで、ワールドカップを戦うことがどれほど特別なことか想像できないでしょう。でも『幸福』が何かと聞かれれば、それが答えです」

ユーロで起きたことを踏まえて、ワールドカップへの「雪辱」の気持ちはありますか?
「全くありません。取り返すべきものなんてありません。人生にはそういうこともあります。ユーロに呼ばれなかったとしても……人生にはもっと大事なことがたくさんあります。全く引っかかっていません。もしワールドカップに行けたら、それはものすごく嬉しいことですけどね」

カルバハルの状況を踏まえ、ワールドカップの右サイドバック争いは3人で2枠といったところですか?
「2回連続で呼ばれているので可能性はありますが、サッカーは状況が大きく変わりますし、ワールドカップまでまだ何か月もあります。突然現れる選手もいるでしょう。チャンスがなければここにはいませんが、夏になればどうなるか分かりません」

ルイス・デ・ラ・フエンテ監督との間で話し合うべきことはありますか?
「ありませんし、話す必要もないと思います。監督は“選ぶ”人です。選ばれなかった。それだけです。完全に尊重すべき決断です。今回は他の2人の選手も外れましたし、人生とはそういうものです」

最も恩義を感じる監督は?
「ソラーリ監督とシメオネ監督に、とても感謝しています。私に大きな影響を与えてくれました。どの監督からも学ぶことはありますが、この2人からは本当に多くを学びました」

どのような部分で成長したと感じますか?
「チョロは私をあらゆる面で向上させてくれました。本来の自分のポジションではない場所に適応しなければならず、その過程でフィールド内での理解力がとても高まりました。そして彼のおかげで本当に素晴らしい瞬間をたくさん経験できました。サッカー人生で最高の瞬間です。ソラーリ監督には、誰も与えてくれなかったレアル・マドリーでのチャンスを与えてもらい、誰も期待していなかった時に賭けてくれたことに感謝しています」

当時、右サイドバックとして代表に呼ばれると言われても信じなかったでしょうね。
「まったくです。そんなこと、想像したこともありませんでした。もし当時聞かれていたら“あなた、頭おかしいんじゃない?”と言ったと思います。でも人生もサッカーも変わるものですし、遠くに行くためには進化しなければならないんですよね」

自分は“特別なサッカー選手”だと思いますか?
「いいえ。サッカーに関しては普通の選手だと思います。サッカーの外では、少し違う選手だとは思います。健康をすごく大事にしていて、私にとってはサッカーより健康のほうが大事です。その点で違うと言えるかもしれませんが、ピッチの中やロッカールームでは普通の選手です」

すべての試合でプレーし、ほとんどケガも病気もしないのは、健康とメンタルを重視しているからですか?
「そうかもしれませんね。とはいえ、サッカーのためにやっているわけではなく、健康のためにやっているんです。でも両者には共通点があって、つながっているんですよ」

ラミン・ヤマルをめぐる一連の騒動を代表チーム内ではどう受け止めましたか?
「私は特に問題ありません。問題は連盟とラミン・ヤマルとの間のことです。サッカーでは起こり得ることです。試合数が多く、クラブはクラブの利益を、連盟は連盟の利益を優先します。衝突が起きるのは理解できます。みんな自分たちのために最善を尽くしたいわけですし、彼は非常に重要な選手です」

過密日程の犠牲になるのは選手側ですが、どう解決すべきでしょうか?
「分かりません。試合が多すぎて移動も多く、体は限界までしか持ちません。でもラージョの監督(イニゴ・ペレス)が言ったように、“嫌ならこの輪から降りればいい”。大変ですし、多すぎます。でも働き続けて、悪影響を最小限に抑え、健康を保つしかありません。これが現実です。嫌ならやめればいい。ただ、戦い続ける必要はありますが、長年そうしてきて何も変わっていません」。

ラミン・ヤマルは影響を受けていますか?
「彼とは話す機会がありませんでしたが、こういう状況を喜ぶ選手はいないでしょう。若い選手ならなおさら、ただサッカーがしたいはずです。ケガがなければ普通にプレーできたでしょうし、難しい時期ですが、家族が支えてくれると思います」

今年タイトル獲得のチャンスはありますか? メトロポリターノでの強さを武器に前進できますか?
「もちろんです。タイトルを取るには試合に勝ち続けること、ホームで強さを発揮することが不可欠です。これができなければ戦えません。最終的に勝つためにはアウェーで改善が必要です。私たちは長年ホームではとても強いですが、昨シーズンから、そして今季の序盤もアウェーでの勝ち点が課題です」

ワールドカップ出場が目前で、スペインは優勝候補と言われています。
「今の状況を見れば当然です。長年にわたり多くの試合で勝ち、良いプレーを続けてきましたから、優勝候補と見られるのは自然です。でも今は目の前の2試合に集中するべきです。出場権を確定させる重要な試合ですから。まだそれ以上のことは考えていません」

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