【公式発表】アポロがアトレティコ・マドリーの新たな筆頭株主に

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アトレティコ・マドリーおよび主要株主であるミゲル・アンヘル・ヒル、エンリケ・セレソ、クアンタム・パシフィック・グループ、そしてアレス・マネジメントが運用するファンドは、アポロ・スポーツ・キャピタル(Apollo Sports Capital、以下「ASC」)がクラブの筆頭株主となることで合意に達しました。ASCは、ニューヨーク証券取引所に上場するアポロ(NYSE: APO)のスポーツ投資部門です。

この合意により、ミゲル・アンヘル・ヒルは引き続きアトレティコ・マドリーのCEO(最高経営責任者)として、エンリケ・セレソは会長としてクラブを率い続け、両者ともに株主として残ります。クラブの公式声明によると、「プロジェクトの継続性とビジョン、そしてリーダーシップを保証する」体制が維持されるとのことです。

アメリカの投資ファンドであるASCは、アトレティコ・マドリーの株式の55%を取得し、クラブの評価額を20億ユーロ以上とする取引を成立させました。これはスペインにおける投資ファンドとしても非常に大規模な案件です。

ASCの出資は、クラブの長期的な計画を支援する新たな資本を提供するものであり、チームの強化や「シウダ・デル・デポルテ」と呼ばれる新しいスポーツ・エンターテインメント複合施設の開発など、野心的なプロジェクトを後押しします。

スポーツ分野で豊富な経験を持つアポロ・スポーツ・キャピタルは、「財務の安定性、競技力の強化、地域社会への貢献を高めるためにアトレティコ経営陣と連携する」と、マドリードのクラブ関係者は説明しました。

この取引は規制当局の承認を条件としており、2026年第1四半期に完了予定です。クラブ側は「アトレティコ・マドリーは、ASCにとって複数クラブ保有戦略の一部ではなく、フットボール分野における主要投資先として位置付けられる」としています。

アトレティコ・マドリーは声明の中で次のようにも述べています。「ここ数年、アトレティコ・マドリーへの投資に関心を示す人々は多く、2015年のワンダ、2017年のクアンタム・パシフィック、2021年のアレスの株主参入につながりました。そして2025年、4つの主要株主が持ち株を一部譲渡することで、新たな投資家が加わります。」

クラブはまた、いくつかの重要な点を明確にしています。まず、現在の全株主は引き続きクラブの株主として残ります。そして、ミゲル・アンヘル・ヒルとエンリケ・セレソは、今後数年間もそれぞれCEOと会長としてクラブ運営を継続します。

さらに、「この取引により、クラブは欧州サッカー界の巨人たちとより対等に競える、より堅実な未来を手に入れる」と強調しています。アトレティコはすでにヨーロッパのトップ20クラブに入っているものの、財政面では依然として大手クラブに劣っています。ASCの強力な資金力により、クラブはあらゆる面での成長が期待でき、「シウダ・デル・デポルテ」の建設にも余裕を持って取り組めるほか、より野心的な補強にも踏み切ることが可能になります。

この一環として、シーズン終了前に全株主が参加する増資が実施される予定です。新たな筆頭株主の参入は、競技面での競争力強化を目的とした拡張的な戦略の一部でもあります。ASCは取締役会には参加しますが、アトレティコの日常的な経営チームには直接関与しません。ただし、筆頭株主として取締役会および理事会で最終的な決定権を持ちます。

アポロ・スポーツ・キャピタル(ASC)は、アポロのスポーツ投資部門であり、同社は約8,500億ドルの運用資産を持つ資産運用および金融サービス企業です。ASCはスポーツ関連の専門部門を持ち、「ムトゥア・マドリード・オープン」や「マイアミ・オープン」などのテニス大会に、MARIとの提携を通じて投資しています。また、アリ・エマニュエル氏とマーク・シャピロ氏が設立した新会社への出資も行っています。ASCの経営陣には、CEOのアル・タイリス氏、共同マネージャーのロブ・ギボン氏とリー・ソロモン氏、そして戦略ディレクターのサム・ポーター氏が名を連ねています。

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