アトレティコがユニオン・サン=ジロワーズを相手に収めた勝利は、華やかさよりも重要性が際立つものでした。ロヒブランコスは、前半でやや静観的な試合運びを見せ、相手ゴールをほとんど脅かすことができませんでした。5-3-2の布陣では、明確さよりも混乱の時間の方が多く、恐れを知らずに臨んだベルギーのチームが楽しむように前半を支配しました。そんな中、チョロのチームを眠りから覚ましたのは、孤立した一つのプレーで現れた“赤と白のタスマニアン・デビル”、ジュリアーノでした。混乱の中でも常に突破口を見つけ出すアルゼンチン人のような選手をチームに持てることは、まさに祝福と言えます。現時点で彼が今季のロヒブランコスの最重要選手と言っても過言ではないでしょう。
後半はまったく別の展開になりました。シメオネ監督のチームはプレッシングを一段強め、ボールを奪って試合を支配しました。そこで存在感を増したのがバリオスでした。カンテラ出身の彼は、持ち前のダイナミズムでボールを支配し、試合に落ち着きと判断力をもたらしました。終盤、積極的にプレーしていたセルロートへの明らかなPKを見逃した主審の判断は大きな誤審と言えます。その場面と、フリアンの決定的なチャンスが決まっていれば、メトロポリターノにさらなる安堵をもたらしていたことでしょう。
罠のようなこの試合を、アトレティコは内容よりもゴール数で乗り越えました。そしてまたしても、ジュリアーノは霧の中で近道を見つけ出したのです。

コメント