ザビリ、U-20ワールドカップの新星とアトレティコとの“つながり”

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ポルトガルのファマリカン所属のフォワード、ヤシル・ザビリ(クラブのオーナーはイスラエルの富豪イダン・オーファー氏)は、アルゼンチン代表を2-0で下し、モロッコ代表としてU-20ワールドカップを制したことで、わずか数時間のうちに世界サッカー界の有望株の一人となりました。しかも、その決勝戦で2得点を挙げ、勝利の立役者となりました。

さらに、ザビリはチリで開催されたこの大会で大会2位の最優秀選手に選ばれ、5得点を挙げて他の3選手と並び得点王の座を分け合いました。

マラケシュ出身のこの若者は、2024年の夏にイダン・オーファー氏が所有するポルトガル北部のファマリカンに移籍しました。オーファー氏はアトレティコ・マドリーの株式の32%も保有しており、ザビリの移籍金は10万ユーロ(約1,600万円)だったと、サッカー移籍情報サイト「Transfermarkt」などが報じています。

近年、アトレティコとファマリカンの間では選手の移籍が盛んに行われてきました。グスタボ・アスンソン、ニコラス・スキアッパカッセ、マルコス・パウロ、ネウエン・ペレス、ルベン・デル・カンポ、マルコ・モレノ……いずれもスペインからポルトガルへと移籍しています。しかし今回のこの新星の場合、もしかするとその流れが逆になる初めてのケースとなるかもしれません。

2024-25シーズン、ファマリカンはザビリをU-23チームに所属させましたが、それでもトップチームで6試合に出場し、3得点を記録しました。

そしてその好成績を受け、今季はファマリカンの指揮官ウーゴ・オリベイラ監督がザビリを正式にトップチームの一員とする決断を下しました。

現在のリーグ戦では47分間の出場にとどまり、途中出場3試合ながら、真の得点力はモロッコU-20代表で発揮されています。

最後の瞬間でのワールドカップ参加
世界王者となったあと、モロッコ代表のモハメド・ウアヒビ監督は、メディアに対して「ザビリはクラブを説得するために戦わなければならなかった」と明かしました。

監督によると、ザビリは大会直前にオリベイラ監督を説得し、ファマリカンからワールドカップ出場の許可を得たとのことです。監督は、オリベイラ氏が「チームへの定着を優先したい」と考えていたため、当初は派遣を渋っていたそうです。

しかし、最終的にファマリカンは派遣を承諾し、その結果、ザビリは現在、世界中の注目を集める存在となりました。特に決勝戦での2得点、なかでも1点目の直接フリーキックは、エリア際から左足で決めた見事な一撃で、その技術の高さを証明しました。

ファマリカンによると、ザビリはムハンマド6世フットボールアカデミーで育ち、ポルトガル移籍前の2023-24シーズンにはモロッコリーグの新星として注目を集めました。18歳でウニオン・トゥルガにデビューし、チームをリーグ5位に導いた実績を持っています。

また、モロッコU-20代表では30試合で19得点という優れた成績を記録しており、その得点力は将来性を示す十分な証拠となっています。

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