アトレティコの「潜水艦コンビ」、難しい船出

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この夏、アトレティコ・マドリーのファンを最も沸かせた補強のひとつがアレックス・バエナの加入でした。そして彼の加入は、ビジャレアル時代に彼の“相棒”として活躍したアレクサンデル・セルロートにとっても大きな喜びでした。ノルウェー人FWにとって最高のシーズンは、アルメリア出身のバエナとともにプレーしたシーズンだったのです。

2023-24シーズン、セルロートはリーグ得点ランキングでドブビクに次ぐ2位で終えました。終盤戦を欠場したにもかかわらず、34試合で23得点を挙げています。一方のバエナは14アシストを記録し、ラ・リーガのアシスト王に輝きました。この“潜水艦コンビ”はビジャレアルで6得点を生み出した名コンビでした。

そのため、アルメリア出身のアレックスがアトレティコに加入した際、多くの人が期待したのは、「今度はロヒブランコのユニフォームで、再びセルロートと同じような連携を見せてくれるかどうか」でした。ところが実際には、今シーズンここまでアトレティコが戦った900分の中で、この“潜水艦コンビ”が同時にピッチに立ったのは、わずか8分間だけなのです。

その8分間は、バライドスでのセルタ戦でした。アトレティコは10人で戦い、セルタが試合を支配していた時間帯。スペースは少なかったものの、セルタが主導権を握っていました。この試合では、バエナは主に守備面で貢献し、セルロートはチーム全体との連携に課題を残しました。

今季、バエナは負傷と虫垂炎の影響で長期離脱を余儀なくされ、二人が共にプレーする機会はさらに限られました。セルロートもケガや出場停止、そしてパフォーマンスの波により、同時出場の機会がほとんどありませんでした。

例えば開幕戦のエスパニョール戦では、アルメリア出身のアレックスが先発出場して68分に交代、ノルウェー人のアレックスは82分に途中出場と、わずかに時間が重なりませんでした。逆に、レアル・マドリーとのダービーではセルロートが先発し67分で交代、その後90分にバエナが投入され、またも“共演ゼロ”でした。

それ以外の試合でも、セルロートが出場すればバエナはケガで欠場、バエナが出ればセルロートは出場停止や負傷欠場と、まるでタイミングが噛み合わない状況が続いています。たとえばラージョ・バジェカーノ戦では、バエナがベンチ、セルロートはマジョルカ戦での退場による出場停止。さらにフランクフルト戦では、“10番”バエナが終盤にプレーした一方、“9番”セルロートはダービーでの打撲のためスタンド観戦となりました。

現在、アトレティコ・マドリーでは、代表戦明けの再開後にこの二人がようやく同時にピッチに立ち、かつてビジャレアルで見せたような破壊力あるコンビネーションを再現してくれることが期待されています。ファンもまた、“潜水艦コンビ”がロヒブランコのユニフォームでも爆発する日を心待ちにしています。

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