アトレティコ・マドリーのディエゴ・パブロ・シメオネ監督は、常に「勝利は勝利を呼ぶ」と主張しています。永遠のライバル、レアル・マドリーとの今季最も重要な試合のひとつを前にしているチームにとって、その効果は倍増するのは明らかです。
しかも、ラージョ・バジェカーノ戦のように、80分にスコアで劣勢に立たされながらも、苦しんだ末に逆転勝利を収めたとなれば、しかも直前まで15ポイント中わずか6ポイントしか獲得できていなかった状況を考えると、その効果は3倍になります。これこそが今のアトレティコに起きていることで、シャビ・アロンソ率いるチームとの一戦に向けて、自信と希望という燃料を大きく補充した形です。
ラージョ戦での勝利は、この厳しいシーズン序盤でチームが必要としていた精神的な後押しとなりました。アトレティコは今季序盤、不運に見舞われてきました。主力や新戦力(バエナ、アルマダ、ハンツコ、ヒメネス、フリアン・アルバレス、カルドーソ…)の負傷、勝てるはずの試合での痛恨の取りこぼし、ポスト直撃のシュート(今季リーガで4本、レアル・マドリーと並びバルセロナに次いで2位)…。
さらに、チーム固有の課題──攻守両面での迫力不足(唯一の1試合を除き全試合で失点)、個人のミス、試合序盤の集中力欠如──が重なり、序盤戦を苦しめていました。
だからこそ、ラージョにあの形で勝利したことは、全勝を続けるレアル・マドリーに挑むための大きなアドレナリンの注入となります。シメオネはラージョ戦後にこう語りました。
「ビジャレアル戦以降、チームは成長してきています。リバプールという強敵相手にも、あと一歩で引き分けにできるところまで行きました。マジョルカ戦でも勝つチャンスがあり、良い試合ができました。ラージョ戦も同じです。(…)多くの場合、結果が悪ければすべてが悪いように見えてしまいますが、もしあのゴールがなければ違う話をしているでしょう。でもサッカーはそういうものですし、その裏ではきちんとできている部分もあります」
そして次戦に向けてはこう付け加えました。「レアル・マドリー戦に向けてチームの状態は良いと思います。最高の形で回復してくれることを願っています。当然、勝利は回復を助けます。相手は全試合に勝利していて、素晴らしい選手たちを擁するチームです。厳しい試合になるでしょう」
――補強選手による改善
水曜日の試合で得られた朗報のひとつは、フリアン・アルバレスがついに得点を挙げ、調子を取り戻したことです。シメオネにとって最も重要なニュースであり、彼が常に「アトレティコで最も重要な選手」「チームを引っ張るフランチャイズ・プレーヤー」と強調している存在だからです。
レアル・マドリー戦を前にハットトリックを決めたことは、この高揚感をさらに高める要因となりました。そして、新戦力のバエナが次戦で起用可能になるという見通しもあります。
シメオネはこうまとめました。「運に恵まれなかったのも事実です。アルマダはアルゼンチン代表で負傷しましたし、バエナは虫垂炎というサッカー外の不運に見舞われました。カルドーソも足首を捻挫しました…。全員がそろえば、さらに改善を続けられるはずです」
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