ニコ・ゴンサレスはシメオネが必要としていたドリブラーなのか?

この記事は約3分で読めます。

アトレティコ・マドリーが今季の移籍市場で解決しなければならなかった課題のひとつは、サイドで違いを作れる選手の獲得でした。サムエウ・リーノがフラメンゴへ移籍する前から、すでにその必要性は高まっていました。当時、リーノはチームに残された唯一の純粋なドリブラーと言える存在であり、ブラジル人選手の退団でこの問題はさらに深刻化しました。

もしリーノが残っていれば、ドリブルで違いを作れる選手を2人揃える計画でした。タイトルを狙うビッグクラブであれば最低限必要な人数です。しかしサムが去ったことで、シメオネ監督はそのオプションを失いました。とはいえ監督は緊急性を強調せず、いくつかの選手がその特徴を備えていると語りました。

「おそらく、ドリブラー的な特徴はアルマダ、バエナ、フリアンにあります。彼らのプレースタイルがそうだからです。そのほかにインサイドの選手やFWが多くいます。セルロート、グリーズマン、フリアン、ジャコモがいて、彼らは異なる特徴や深みを与えてくれます。最終的なメンバーが決まったところで、それぞれの長所を最大限に生かすことを考えます」と、ラ・リーガ開幕戦前にシメオネ監督は語っていました。

しかし現実は“チョロ”の言葉どおりにはなりませんでした。例えば、エルチェ戦では、後半に相手がブロックを低く敷いた際、アトレティコには相手を剥がしてチャンスを作り出せる選手がいませんでした。チームは21回のドリブルを試み、成功はわずか6回、そのうちペナルティエリア付近でのものは4回にとどまりました。

この状況に、さらに開幕3試合での不振が重なり、クラブはアルゼンチン人のニコ・ゴンサレス獲得を急ぎました。彼こそが探していた選手なのでしょうか? まず言えることは、監督が望んだ選手を獲得した、という点です。市場終盤には、インテル・ミラノ移籍が成立しなかったアデモラ・ルックマンという選択肢も再浮上しましたが、最終的にニコ・ゴンサレスが選ばれました。

多機能型のピース、専門職ではない
シメオネ監督が選んだのは純粋なドリブラーではありません。つまり、そのタイプは今なおこのチームに不在です。ただし、彼には突破力があります。監督は専門職ではなく、多機能型の選手を選びました。ユベントス出身の彼は、FWからMFへ、あるいはその逆へと役割を変えながら成長してきた選手であり、右でも左でも、攻撃の最前線でもプレー可能です。

さらに彼は得点力を備えています。通算291試合で77得点(252分に1得点)、さらに35アシストを記録しています。そして守備面での献身性も大きな強みです。空中戦勝率(98%)、守備アクション(77%)、クリア(99%)といった指標で、同じポジションの選手と比べても高い数値を示しています。ボール奪取や相手のビルドアップへのプレッシングといった守備的貢献は、リオネル・スカローニ監督も常に高く評価してきた部分です。

シメオネ監督が、中盤に戻ってハードワークできる選手を好むのは周知の事実です。その点で、彼はまさに理想的な人材と言えます。

一方でドリブルについては、ボールロストの多さから専門家ではないことが分かります。しかし、それでも臆せず挑戦し続けるタイプです。統計的には、90分あたり平均1.6回の成功ドリブルを記録しています。彼の突破は、高度なテクニックやフェイントに依存するものではなく、力強く短い動きで相手を抜いていくスタイルです。

コメント