公式戦わずか1試合と親善試合3試合を終えた時点で、新しいアトレティコの攻撃から見えてくるのは、昨シーズンに比べて左サイドにシフトしている傾向です。アルマダ、バエナ、フリアン、さらにはカルドーソまでがそのサイドに流れる傾向を見せており、ギャラガー、ジュリアーノ、ジョレンテはビルドアップから遠ざかった役割を担っています。
プレシーズン、そして先日のエスパニョール戦前半でパブロ・バリオスが不在だったことも、この影響エリアの変化に関係しているかもしれません。昨シーズンはデ・パウルが中盤にいたことで、右サイドがシメオネのチームの主要な攻撃拠点となっていました。ジュリアーノやジョレンテは、右サイドで攻める際にアルゼンチン人を理想的な供給源として見いだしていました。現在はアルマダがその役割を担っていますが、逆サイドであるため、ジュリアーノやマルコスの影響力は低下しています。
アトレティコには左からプレーすることで快適さを感じる選手が多いことは明らかですが、チョロ監督とコーチ陣は右サイドの選手たちの長所も活かそうとしています。ここまでの4試合(親善3試合とリーグ戦1試合)では、ジュリアーノがストライカーのようにエリア内のスペースを突いて攻撃したり、ギャラガーがビルドアップから解放されて斜めの動きで意表を突こうとしたり、ジョレンテが広いスペースを得て走ったりする姿が見られました。片側で組み立てて逆サイドのスペースを突く――アルマダとバエナがその主な供給源です。
新しいアトレティコにとって、ジョレンテとジュリアーノが新しい役割で得点やアシストを数字として残すことは極めて重要になりそうです。バリオスが理論上の位置に戻りカルドーソと並んで右サイドのビルドアップを助けられるようになれば、現状抑えられている展開が改善されるかもしれません。後方からの組み立てでも、左のハンツコからのビルドアップはル・ノルマンよりも明確に機能しています。RCDEスタジアムでも見られたように、アトレティコが右サイドからの組み立てに苦労しているのは明白です。ジョレンテのボールロストが、エスパニョールの同点弾に繋がったファウルを招きました。
原点回帰
このチョロのプランは新しいものではありません。確かにここ数シーズンは、トリッピアー、そしてその後のデ・パウルによって右サイド寄りの展開が目立ちましたが、シメオネ時代の大半では、フィリペ、アルダ、コケが左サイドでプレーを組み立て、逆サイドのフアンフランがスペースを突くというスタイルが見られました。
現在のアルマダやバエナの加入、そしてジュリアーノとジョレンテのパワーが逆サイドに加わることで、かつてのスタンフォード・ブリッジでのアドリアンのゴールのような記憶に残る瞬間が再びよみがえる可能性があります。すでに、新しいアトレティコは「左へシフト」する方向で歩み始めています。
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