アトレティコのプレシーズンにおける5つの光と5つの影

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アトレティコ・マドリーは、土曜日にこの異例のプレシーズン3戦目かつ最後の試合を戦いました。今回はわずか3試合のみで、チーム始動からリーガ開幕戦(8月17日日曜日21時30分、コルネリャのRCDEスタジアムでエスパニョール戦)まで27日間という日程となります。

チームはまず、ポルトのホーム・ド・ドラゴンでコンディションの整ったポルトに1点差で敗戦。その後、マハダオンダでの練習試合形式でラージョ・バジェカーノと引き分け(グリーズマンの得点)。そして土曜日には、セント・ジェームズ・パークでニューカッスルにフリアン・アルバレスと再びグリーズマンのゴールで完勝しました。結果以上に、この期間で重要視されるのはチームの「感触」です。良い点もあれば、課題もありました。

【光】

  1. ハイプレス
    このアトレティコは明らかに新しいスタイルを目指しています。ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエルでの初練習からその兆しが見え、ニューカッスル戦では試合開始の笛から高い位置でのプレッシングを実行し、試合を通して維持しました。リードを奪った後の後半でも同様でした。「前線でプレスをかけられる若い選手がいる。それが私たちの狙いです」と、ド・ドラゴンでの初戦後にキャプテンのコケが語っています。
  2. アルマダとバエナがアルバレスと連動
    バエナとアルマダの加入で、アトレティコは相手ゴール前でより主導権を握る意図があります。この2人は連携力に優れ、フリアン・アルバレスと中央での脅威を作り、サイドからの選手が意表を突けるようにします。ニューカッスル戦では、バエナのアシストからフリアンが得点しました。
  3. グリーズマンの新たな役割は贅沢な武器
    フランス代表FWは3試合で2得点と、チーム最多。今季は出場時間こそ減る見込みですが、途中出場から質の高いパフォーマンスを発揮することが期待されています。セント・ジェームズ・パーク戦でもその能力を発揮し、この役割に順応できればチームにとって大きな武器となります。
  4. ハンツコ、守備陣のリーダー
    スロバキア代表DFは3試合すべてに出場し、土曜日はチャンピオンズリーグ経験のある相手に先発。1時間のプレーで、的確な予測、強さ、リーダーシップ、ビルドアップ能力を示し、このアトレティコに大きく貢献できることを証明しました。
  5. 補強による先発メンバーの底上げ
    これまでに加入した6選手(アルマダ、カルドーソ、バエナ、ルッジェーリ、ハンツコ、プビル)は全員が重要な役割を担う見込みです。元アルメリアのプビルだけが控えスタートですが、本職はサイドバックながらセンターバックとして好パフォーマンスを見せています。さらにラスバドーリの加入も予定され、場合によっては追加補強もあるかもしれません。昨季からのレベルアップが期待されます。

【影】

  1. サイドからのクロス対応の脆さ
    ニューカッスル戦では、サイドからのクロスへの守備に問題を露呈。ジョエリントンにマークを外され、4度もヘディングを許す場面がありました。マークの徹底と集中力向上が必要です。
  2. 重要ポジションでの不足?
    センターバックと守備的MFのポジションは補強の必要性があるかもしれません。ヒメネスは夏を通して一度も全体練習に参加しておらず、シメオネ監督はプビルをその位置でテスト中。中盤ではバリオスが軽傷でリーグ開幕には間に合う見込みですが、その不在時はギャラガーが代役。しかし、ギャラガーはプレスには適していても、ボール保持面では最適ではありません。
  3. セルロートの不発
    最も純粋な“9番”であるセルルロートは、プレシーズン3試合で一度も決定機を得られず。偶然かもしれませんが、セント・ジェームズ・パークでの2点目の起点になった以外、攻撃面での存在感は薄い状況です。今後の巻き返しが求められます。
  4. ルッジェーリの適応
    ポジティブな面もある一方、加入選手の中では最も不安材料を残しています。相手の縦パス対応の甘さや、攻撃参加への消極性が見られます。ただし、これは時間と適応で改善可能です。若く、資質は十分にあります。
  5. 攻撃構築の課題
    相手が守備を固めると、アトレティコはスペースを見つけてチャンスを作るのに苦労します。シメオネ監督はアルマダとバエナをフリアンと近づける形で解決を図りますが、そのためには質の高いパス供給が不可欠です。

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