アトレティコ・マドリーはポルトとのプレシーズン初戦で0-1の敗戦を喫しました。チームはまだ構築途中で、期待されるレベルには達していないものの、すでにディエゴ・シメオネ監督が今シーズン描くアイデアの片鱗が見え始めています。セットプレーのキッカーにはアレックス・バエナが起用され、中盤ではジョニー・カルドーソが存在感を示し、昨季と同様に4-4-2から5-3-2への可変フォーメーションが見られました。
- バエナのキック
この夏の移籍市場でアトレティコが獲得した目玉選手、アレックス・バエナは、左インサイドハーフとしてプレーを開始しました。サイドよりも中央寄りのポジションで、決定的なラストパスよりもビルドアップへの関与が重視されており、彼自身とチームとの相互適応の過程にあります。彼は今後チームの中心選手になると期待されています。現時点では、セットプレーのキックはすべてバエナが担当しており、ポルト戦では攻撃チャンスとなるすべてのFKを彼が蹴りました。
- カルドーソの中盤
初戦の中盤にはコケ・レスレクシオンとコナー・ギャラガーが起用され、左にはバエナが入りました。なお、パブロ・バリオスは筋肉の負傷により欠場しました。後半から登場したジョニー・カルドーソは、その決断力、統率力、存在感、運動量、ゲームの読み、精度の高さにより、アトレティコにふさわしい選手であることを証明しました。彼はシメオネ監督の中盤の軸になることが期待されています。彼のプレーは、今後の可能性を示す前触れでした。
- フォワード陣:フリアン・アルバレスとセルロート
シメオネ監督が今シーズンのスタートに選んだ2トップは、フリアン・アルバレスとアレクサンデル・セルロートです。今後のパフォーマンス次第で継続起用か変更かが決まります。プレシーズンの戦術練習でもこの2人のコンビが起用され、ポルト戦でもアルゼンチン代表のアルバレスとノルウェー代表のセルロートが攻撃陣を構成しました。2人は昨季合計55得点(アルバレス29点、セルロート26点)を挙げています。アントワーヌ・グリーズマンは控えスタートが濃厚で、ティアゴ・アルマダも左サイドで起用され、後半はそのまま同ポジションでプレーしました。
- 4-4-2から5-3-2へ
昨季と同様に、アトレティコの戦術構造は試合中に変化します。ハイブリッドなシステムを採用し、試合の状況に応じて4-4-2から5-3-2へ自然と移行します。ポルト戦でも同様の変化が見られ、序盤は4-4-2、途中からは右サイドをジュリアーノ・シメオネが一任される形で5-3-2に移行しました。この柔軟な戦術はときに曖昧さを生むこともあります。
- ジュリアーノの右サイド
シメオネ監督がフォーメーションを5-3-2に変更した際、ジュリアーノ・シメオネが右サイド全体を任されました。彼はもともと相手守備を崩すのが得意なウィンガーですが、今回はウイングバックとしてプレーしました。このポジションは守備の負担が大きく、攻撃時の鋭さを失いやすいため、1対1のスピード勝負に強いジュリアーノにとってはやや不利な配置でした。それでもこのポジションでは彼が最有力候補とされており、後方にはマルコス・ジョレンテが右サイドバックや右センターバックとして控えています。アトレティコがこのサイドに新戦力を補強するかどうかが注目されます。
- 左サイドバックの不安定さ
マッテオ・ルッジェーリが今回の先発左サイドバックに起用されましたが、攻撃面ではチーム全体同様に効果的なプレーを見せられませんでした。これはプレシーズン初戦ということもあり、適応期間が必要と見られています。しかしながら、彼の守備エリアでのマークの受け渡しに不備があり、それが失点につながってしまいました。ヴィクトル・フロードホルトにマークを外され、1-0の決勝点を決められています。後半からは昨季のレギュラー、ハビ・ガランが投入されました。また、ダヴィド・ハンツコも代表チーム同様に左サイドバックとしてプレー可能ですが、この試合では後半ずっと左センターバックとしてマルク・プビルとコンビを組んでプレーしました。左サイドには現時点で3つのオプションがあり、このポジションの不安定さの解消が求められています。
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