サム・アゲホワだけじゃない、アトレティコに「復讐」を誓う者たち

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アトレティコ・マドリーは、2025-26シーズンの初戦でポルトと対戦します。アトレティコのファンやメディアの注目は、バエナ、アルマダ、カルドーソ、ルッジェーリ、ハンツコ、プビルといった新戦力に集まります。しかし、ポルト側にとってこの試合が特別な意味を持つ選手がいます。それがサム・アゲホワです。

彼は、2023年8月にアトレティコが獲得した選手で、その数日前にはちょうどメトロポリターノでアトレティコ相手にラ・リーガデビューを果たしていました。アトレティコは彼に600万ユーロを支払い、その直後にさらなる成長を促すため、デポルティーボ・アラベスへレンタル移籍させました。

そして昨夏、最終的にポルトへ売却されました。最初は彼の保有権の50%を1,500万ユーロで売却。その契約には2つの追加購入オプションが付いており、1つ目は2025年6月に満了する150万ユーロ分、2つ目は翌年満了の同額のものでした。結果として、ポルトはこの2つのオプションを合わせて1,000万ユーロで買い取り、さらに残りの20%を700万ユーロで取得。こうしてポルトはアゲホワの保有権100%を獲得しました。

つまり、アゲホワはアトレティコでプレシーズンの親善試合すら出場することなく、1年在籍しただけで退団。レンタル先のアラベスでプレーしたのち、ポルトへ移籍し、スペイン代表にも選ばれるまでに成長しました。この退団劇は本人にとっても苦い経験だったようで、過去にはこんなコメントを残しています。

「アトレティコでは別メニューで練習させられていて、自分がチームの一員だと感じられませんでした。選手として扱われていないように思えて、頭では“違う”と感じながら練習していました。精神的にも辛くて、夜に泣くこともありました…母や家族もすごく苦しみました…。最終的には神様のおかげで早く決着がつき、自分にとって最良の選択ができました。誰も僕に話しかけず、僕も誰とも話しませんでした。サッカーではよくあることで、それが経験となって、未来に活きてくるんです」と語りましたが、その後、アトレティコへの感謝を口にして発言を修正しました。

それでも今夜の試合では、そのアトレティコに“復讐”するチャンスが巡ってきます。もしシメオネのチーム相手にゴールを決めれば、それはただの一点ではないでしょう。

しかし、そう感じているのはアゲホワだけではありません。ネウエン・ペレスもまた、似たような境遇を経験した一人です。メディアでの注目度はメリリャ出身のアゲホワほどではありませんでしたが、彼のケースはより長期にわたりました。

アルゼンチン人DFは2018年夏にアトレティコと契約しました。18-19シーズンにはアルヘンティノス・ジュニオルスへレンタル移籍し、その後ファマリカン、グラナダ、ウディネーゼと複数クラブを渡り歩きました。

最終的にはナウエル・モリーナの獲得交渉の一部として、ウディネーゼへ完全移籍。そのイタリアのクラブで4シーズンを過ごし、ついにはアルゼンチン代表デビューも果たしました。そしてこの夏、ポルトが1,300万ユーロを支払って彼を獲得。クラブにとって大きな補強となりました。

要するに、サム・アゲホワもネウエン・ペレスも、アトレティコを離れる際に納得のいく別れができなかったという思いを抱いており、今夜はそれを証明する機会となります。彼らにとっては、ただの親善試合ではないのです。

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