さていよいよ、市場(移籍)からフットボールへ──とはいえ、市場を見守ることはやめません。2週間にわたるトレーニング、退団、そして異例のスピードで進んだ補強を経て、新たに生まれ変わったアトレティコが、ポルトの本拠地で動き出します。この試合は、ディオゴ・ジョッタをはじめ、両クラブのユニフォームを着た多くの選手たちへのオマージュでもあり、シメオネ監督にとっては、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエルやマハダオンダでの観察をもとに、さらなるチェックを重ねる機会となります。
6人の新戦力が初お披露目となりますが、先発が予想されるのはそのうち半分です。それでも、今日、フリアン、バリオスらが率いるアトレティコを見る理由は、他にもいくつもあります。
今週はメトロポリターノでの“お披露目ウィーク”でもありました。バエナ、アルマダ、ルッジェーリ、カルドーソ、ハンツコ、そしてプビルが次々に登場しました。一方で別れの時もあり、元アトレティコの選手たちが他チームのユニフォームを着てプレーする姿も見られました。リーノはフラメンゴ、デ・パウルはインテル・マイアミ、コレアはティグレスで2試合4得点という活躍ぶりです。
そして、セロでのトレーニングから見えてきたのは、新しいアトレティコの輪郭です。4バックなのか5バックなのか、バエナはどの位置が最適か、補うべきピースは何か──。いくつもの疑問が残る中、それらがポルトで少しずつ明らかになっていくでしょう。
バリオスはカルドーソまたはコケと中盤を指揮
バエナは今夏最大の投資と期待を背負った補強選手として、初戦から主力として起用されます。左に配置される見込みですが、中央に自由に入っていける役割が与えられており、その分左サイドをルッジェーリ(こちらも新加入)がカバーする構成です。左サイド全体が昨シーズンの不安を経て、今季は大きく刷新されました。シメオネ監督にとって、この新たな左サイドの連携構築はプレシーズンの大きな課題です。
監督は出場時間をほぼ均等に分ける方針であり、したがって先発メンバーが全てではありませんが、どんな“第一印象”が見られるかに注目が集まります。中盤では、バリオスの相棒がコケになるのかカルドーソになるのかが注目点です。コケは最近のトレーニングで好調がうかがえますが、長らく渇望されていたタイプのカルドーソにも期待がかかります。この第2列には、昨シーズンのサプライズだったジュリアーノも加わります。
前線では、セルロートとフリアン・アルバレスの2トップが予想され、アルマダはグリーズマンとの併用も視野に入れた“プランB”の一角です。
ヒメネスは欠場、ハンツコは調整中
守備陣での唯一の離脱者はヒメネスです。ワールドカップで負った負傷の影響で、いまだチーム練習には参加していません。ル・ノルマンとラングレが先発の最有力で、最新加入のハンツコは現在フィジカル調整中です。右サイドバックには、プビルやナウエルとポジションを争う形でジョレンテが先発予定です。
対戦相手のポルトは、自軍ファンの前でのお披露目試合となります。地元ファンにとっては、新戦力であるフローホルト、ガブリ・ベイガ(先日のトゥウェンテ戦で退場)、アルベルト・コスタらを見るのが楽しみでしょう。一方でアトレティコファンにとっては、ネウエン・ペレスやサムら旧知の選手たちとの再会の場でもあります。
そして何より、パウロ・フットレ、ファルカオ、アスンソンなど往年の名選手たちを称え、ディオゴ・ジョッタに心からの追悼を捧げる機会でもあります。
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