アトレティコ、リーガで釣り

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近年、アトレティコ・マドリーは他のスペインクラブからのタレント獲得に力を入れています。その代表例が、2024年夏にレアル・ソシエダから加入したロビン・ル・ノルマンと、ビジャレアルから加わったアレクサンデル・セルロートです。今夏の移籍市場でも、アトレティコはビジャレアルからアレックス・バエナ、レアル・ベティスからアメリカ代表のジョニー・カルドーソ、そしてアルメリアから右サイドバックのマルク・プビルを獲得しています。

2023-24シーズンにさかのぼると、ラ・リーガの他クラブからアトレティコに加入した選手は複数いました。その一人がハビ・ガランです。スペイン人左サイドバックは、2023年7月にセルタから、固定額と変動額を含めて500万ユーロ、さらにマヌ・サンチェスの譲渡という条件でアトレティコに移籍しました。また、同じく2023年夏にはサム・アゲホワも加入しました。彼はグラナダで鮮烈なデビューを飾り、その中でも特にアトレティコ戦での活躍が評価され、600万ユーロの契約解除金で獲得されました。しかし、アラベスへのレンタル後、公式戦デビューのないまま2024年夏にポルトへ売却されています。さらに冬の移籍市場では、バレンシアとの契約を解除したガブリエウ・パウリスタを獲得。彼は23-24シーズン後半に5試合に出場した後、ベシクタシュに移籍しました。

2024年夏には、セルロートがビジャレアルから固定3200万ユーロ+変動800万ユーロで加入しました。ノルウェー人ストライカーは、23-24シーズンにラ・リーガで23得点を挙げ、得点ランキング2位に入った後、2028年までの契約でアトレティコ入りしました。また、ル・ノルマンもレアル・ソシエダでの活躍を経てアトレティコに加わり、移籍金は固定3,450万ユーロ+変動500万ユーロ、契約期間は5年(2029年まで)となっています。さらに、バルセロナからフランス人DFクレマン・ラングレをレンタルで迎え入れましたが、彼は2024年6月にバルサとの契約を解除し、2028年までの契約で正式にアトレティコに加入しています。

この夏も、アトレティコはラ・リーガに目を向け、バエナ、カルドーソ、プビルの3選手を補強しました。特にアレックス・バエナは、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督の下でキープレーヤーとして活躍し、ビジャレアルをチャンピオンズリーグ出場に導いた実績があります。彼は今後5シーズンにわたりアトレティコに所属し、移籍金は固定4,200万ユーロ+変動1,300万ユーロと報じられています。

今夏2人目の補強となったのが、レアル・ベティスから加入したジョニー・カルドーソです。移籍金は固定・変動を含めて3,000万ユーロで、契約期間は2030年までとなっています。カルドーソの獲得は、アトレティコが過去5年間にわたり追い続けてきた案件でもあります。

守備陣の強化を狙い、当初はオサスナ所属の右サイドバック、ヘスス・アレソに注目していました。しかし、移籍が確実視されていた中で状況は一変し、最終的にはビルバオのアスレティック・クラブに復帰する形となりました(アレソは2021年にアスレティックを退団していました)。アレソ獲得が実現しなかった後、アトレティコはすぐに次の手を打ち、アルメリアから22歳の右SBマルク・プビルを獲得しました。彼は過去2シーズンにわたりアルメリアでプレーしていました。

その他にも、ジローナのミゲル・グティエレスやバレンシアのハビ・ゲラといったラ・リーガ所属の選手がアトレティコのリストに挙がっているか、かつて挙がっていたことがあります。ロドリゴ・デ・パウルの移籍、そしてギャラガーの退団の可能性が重なれば、再びハビ・ゲラ獲得に動く可能性もありますが、それよりもまずセンターバック補強といった優先事項を進めると見られます。

ゴールキーパーについても、アトレティコはスペイン国内に目を向けており、マジョルカのレオ・ロマンや、最終的にバルセロナに移籍したジョアン・ガルシアなどがリストに入っていました。しかし最終的には、2024-25シーズンにアタランタからのレンタルでプレーしていたフアン・ムッソの買い取りに踏み切り、継続起用という形で決着しました。

このように、アトレティコ・マドリーのスポーツ部門はここ数年、ラ・リーガ所属選手を重視した補強戦略をとっており、今夏もその例外ではありません。

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