アトレティコ・マドリーの2024-2025シーズンのスカッドには、最大6人のワールドカップ優勝経験者が在籍しておりました。カタールワールドカップでメッシと共にアルゼンチン代表の攻撃の柱となり、優勝に貢献したフリアン・アルバレスの加入により、すでにチームにいたデ・パウル、コレア、モリーナという3人のアルゼンチン代表選手とともに、ロヒブランコスのユニフォームを着たワールドカップ優勝選手がそろいました。
また、フランス代表として2018年モスクワ大会で優勝したアントワーヌ・グリーズマンとトマ・レマルもこのグループに含まれており、当時は今レアル・マドリーに所属するエムバペと共に“プリンシペ”(グリーズマンの愛称)が中心となってフランスを栄冠へ導いた大会であり、グリーズマンにとってキャリア最高の瞬間とも言えるタイトルでした。
ところが、そんな世界王者たちの「転落」は、少々興味深い状況となっております。
まず最初にチームを去ったのはアンヘル・コレアです。セカンドチョイスに甘んじる役割に飽き、メキシコのティグレスから長期契約でオファーを受けたことも後押しとなり移籍を決断しました。ティグレスではエースとして起用される見込みで、ちょうど1年後に開催されるワールドカップ防衛を目指すアルゼンチン代表での役割拡大も期待されています。
デ・パウルの「既定路線」だった退団
次に退団が予定されているのはロドリゴ・デ・パウルです。彼はアトレティコと契約延長を結ばず、リオネル・メッシ選手と再びプレーするため、インテル・マイアミへの移籍を希望しています。クラブとしても、移籍金約1,500万ユーロで売却できるなら、契約満了でフリー移籍されるよりは良いと判断。世界王者の中心選手でありながらも、MLSという欧州と比べてレベルの低いリーグに身を置いても、代表内でのポジションには影響がないと考えているようです。
ナウエル・モリーナについては、現時点で具体的なオファーは届いておらず、多くの移籍予想に名前が挙がってはいるものの、即時移籍の可能性は現状では低いとされています。夏の移籍市場はまだ続き、右サイドバック候補(アレソを巡る一連の騒動など)についての検討が進められていますが、今のところモリーナは他の選手と共にプレシーズン開始に向けてチームに合流する予定です。
グリーズマンのケース
アントワーヌ・グリーズマンについても注目すべきです。彼は2年契約を更新したばかりですが、クラブとしては2026年に退団することを見込んでいます。そして今季、彼はアトレティコで“初めてのベンチスタート”となるシーズンを迎えることになります。今後のパフォーマンスや出場時間、そしてこの逆境をどう乗り越えるかが注目されます。
2018年のフランスワールドカップ優勝から7年。すでに代表からは引退した“プリンシペ”もまた、「世界王者の転落」の一員となっています。現在、期待されたレベルを維持しているのは、フリアン・アルバレスただ一人となってしまいました。
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