セルロート、ゴールを量産する姿。セルロート、ゴール前で決め切れない姿。アトレティコでの初シーズンで、このノルウェー人ストライカーはその両面を極端に見せました。ビジャレアルで23ゴールを挙げ、最終戦までピチチを争った後に加入し、モラタに代わるシメオネのチームの基準点のストライカーとして期待されての加入でした。
一方で、リーガではチーム最多の19ゴールを挙げ、攻撃の大黒柱だったフリアンすら上回りました。確かに、終盤のレアル・ソシエダ戦での4得点やジローナ戦でのハットトリックで数字を大きく伸ばした面はありますが、35試合で1561分出場(多くの試合で途中出場だったことを考えると)、リーグ戦でのパフォーマンスは非常に優秀だったと言えます。
大きなハンディキャップ
しかし、メトロポリターノのチームが戦った二つの大きな大会での決定力は全く別物でした。チャンピオンズリーグ(8試合290分)でも、クラブワールドカップ(3試合170分)でも、ゴールを挙げることはできませんでした。これは大きなハンディキャップであり、最終的な23ゴールという数字自体は期待を十分に満たしているとはいえ、シーズンの評価に傷をつけています。
最大の問題は、チームが大一番を迎えた際に犯した許されないミスの数々です。特に、CLでのリール戦での3つの決定機逸(CL連敗のきっかけとなった試合)や、PSG戦での無人のゴール前での失敗は、アトレティコの歩みを変えられたかもしれない決定的なものとして記憶されています。
レベルへの一部の疑念
こうした重要な試合でのミスにより、クラブ内部の一部では不安視する声も上がっています。彼の「9番」としての価値は認めつつも、チャンピオンズリーグやクラブワールドカップといった大きな目標を争う上で十分なレベルのストライカーなのか、という議論は消えていません。
欧州のビッグクラブのストライカー(エムバペ、レヴァンドフスキ、ケイン、ハーランド…)と比べると、交代出場からの爆発力は素晴らしい(ベンチスタートでの12ゴールはラ・リーガの記録的数字)とはいえ、比較には耐えないという見方もあります。
クラブは来季の「9番」と見ている
それでもメトロポリターノのフロントは、来季もセルロートを「9番」として考えています。決定力のあるストライカーであり、フリアンの理想的なパートナーになり得ると評価しています。そのため、トルコなどから問い合わせはあるものの、基本的には放出の意思は見せていません。ただし、もしも1年前に支払った3,500万ユーロを大幅に上回るオファーが届いた場合は話が変わるでしょう。
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