アトレティコ・マドリーがクラブワールドカップで次に対戦する相手、ボタフォゴは、この3年間で劇的な変貌を遂げたクラブです。現在では、ポルトガル人監督レナト・パイヴァのもと、ヨーロッパ経験のある選手を擁し、攻撃では非常にテクニカルなチームとして主導権を握るサッカーを展開しています。
ボタフォゴは2024年のコパ・リベルタドーレスとブラジル全国選手権の王者です。主力だったブラジル人ウィンガー、ルイス・エンリケとアルゼンチン人MF、チアゴ・アルマダが退団したことで輝きはやや薄れましたが、シーズン序盤から調子を上げ、PSG戦での勝利でその実力を証明しました。
さらに、今回のクラブワールドカップに向けて、ベンフィカからブラジル人FWアルトゥール・カブラル、インテルからアルゼンチン代表MFホアキン・コレアといった実力者を補強しています。
加えて、控え戦力としてエクアドル人GKクリスティアン・ロール、DFカイオ・パンタレオン、アルゼンチン人MFアルバロ・モントロといった選手も獲得しています。
この野心的なプロジェクトを推進しているのが、2022年からクラブを所有するアメリカ人実業家ジョン・テクスター氏であり、資金投入によってクラブの変貌を支えています。
監督のレナト・パイヴァ氏は2024年3月に就任し、「多くの人数で攻め、少ない人数で守る」という明確なコンセプトを掲げています。彼のスタイルは、コンパクトな陣形とロスト直後の高いプレッシングに基づいています。
空中戦での強さ
リオデジャネイロのこのチームは、守備陣において空中戦に強さを誇ります。GKジョン・ヴィクトルは1メートル97の長身で、クラブワールドカップ初戦のシアトル・サウンダーズ戦ではヒーロー的な活躍を見せました。彼は2023年にはレアル・バリャドリードに期限付き移籍していました。
センターバックのコンビも190センチ以上の高さを持ちます。元サントス所属のジャイル・クーニャ(1メートル98)は20歳であり、将来のブラジル代表候補と目されています。控えにはアンゴラ人のバストスが控えますが、背はやや低めです。
また、元リーベル・プレートで昨季の成功の立役者のひとり、アルゼンチン人のアレクサンダー・バルボサ(1メートル93)もいます。守備陣には、左サイドバックのアレックス・テレスも名を連ねており、これまでにガラタサライ、マンチェスター・ユナイテッド、セビージャ、ポルト、インテル・ミラノといったクラブでプレーしてきました。
2人のピボーテと2人の司令塔
中盤には、グレゴレと主将マーロン・フレイタスという2人のアンカーが配置され、攻撃の組み立てを担う2人の司令塔に自由を与えています。ロシアのゼニトでもプレーしたブラジル人アルトゥールと、ベネズエラ代表のジェフェルソン・サバリーノが攻撃の中核を担います。
彼らは突破力に優れ、優れた視野を持ち、サイドからの展開だけでなく、中央でのプレーもこなすため、マークが非常に難しい選手です。
イゴール・ジェススを中心とした柔軟な攻撃陣
前線ではイゴール・ジェススが自由に動きながらプレーします。2024年の素晴らしい活躍により、ブラジル代表にも招集された彼は、特筆すべき特徴こそないものの、あらゆる局面でうまく立ち回る万能型フォワードです。ポストプレー、ヘディング、スピードに優れ、ゴール前に顔を出す嗅覚も持っています。
このクラブワールドカップ後にはノッティンガム・フォレストへの移籍が決まっており、ボタフォゴで良い印象を残したいという意欲にも燃えています。
ストライカーには他にも、サイドバックからコンバートされたクイアバーノ、さらにウルグアイ人のゴンサロ・マストリアニが控えています。
充実したベンチの控え選手たち
ベンチにも多くの切り札がいます。その1人がウルグアイ人のサンティアゴ・ロドリゲスです。彼はウルグアイのナシオナルで育ち、その後シティ・フットボール・グループに所属し、モンテビデオ・シティ・トルケおよびニューヨーク・シティFCでプレーしてきました。
また、バレンシア、ベンフィカ、ニースといった欧州クラブを渡り歩いた経験を持つダニーロ・バルボーサも後半途中から出場し、中盤の強化に貢献することが多いです。
そしてもちろん、アルトゥール・カブラルとホアキン・コレアという2人の新戦力もおり、現在は適応の途中段階にあります。
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