「冷静な頭が必要です」と、デ・パウルはPSG戦の前に語っていました。アトレティコの初戦が壁のような相手になることを彼は分かっていたのです。そして数時間後、それが現実となりました……。結果の厳しさはロッカールームに衝撃を与え、シメオネ監督にとっても、まだまだ改善点が山積していることを突きつけられました。そして、もはやミスは許されません。これ以上の取りこぼしは命取りです。
話を「5番」に戻しましょう。彼は自身にとっても、カタールワールドカップで世界王者となったアルゼンチン代表にとっても、記憶に残るもう一つのワールドカップで脚光を浴びた人物です。「僕たちはサウジアラビアに負けてスタートしたけれど、それからは……」。そう、彼らは初戦での手痛い敗戦にもかかわらず、最終的には最高の栄光を手にしたのです。
この道こそ、今のアトレティコのロッカールームでリーダーシップを取るふたりのアルゼンチン人が示しているものです。そして、おそらく――いや、間違いなく――チームの再浮上における希望の光でもあります。先述のデ・パウルは経験・キャラクター・競争心をもたらし、そしてフリアン・アルバレスは、自身の活躍を通して苦しいスタートを乗り越え、最終的には栄冠をつかみ取るという道を体験した存在です。
フリアンは期待に応えた
そう、「アラーニャ」は、初戦で数少ない“期待に応えた選手”のひとりでした。試合序盤のFKは惜しくもゴールを外しましたが、連携も良く、訪れた決定機ではネットを揺らしました。VARによってそのゴールは取り消されましたが、背番号19は改めて、このチームをけん引できる存在であることを証明しました。
カタールワールドカップでの経験は、この先きっと生きてくるはずです。その経験と共に、今季すでに積み上げた29ゴールという実績も大きな武器です。アトレティコにとって、近年屈指の補強である彼が、このクラブW杯という舞台で真のリーダーであることを示すには絶好のチャンスです――ゴール数以上の存在感で。
軌道修正へ向けて
いずれにしても、今の最優先課題は軌道を修正することです。まずはシアトルで勝利を挙げること。木曜日(現地時間)に地元チームとの対戦が控える中で、そのための準備が行われています。その後はボタフォゴ戦。そして、得失点差が鍵を握る可能性が高い状況へと突入します。
どちらにせよ、道を示すのはふたりのアルゼンチン人リーダーです。その才能ゆえに、そして彼らが世界の舞台で敗戦からスタートし、最終的に頂点に立つ経験を知っているからこそです。そう、「冷静な頭が必要です」――この言葉を忘れてはなりません。
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