「私たちは代表で初戦に負けましたが、最終的にワールドカップを制しました。すべての試合が重要であり、決勝のようなものですが、冷静さを保たなければなりません。大会ではいろいろなことが起こります」と、デ・パウルはPSG戦の前に語り、まるでこれから負うであろう傷への“予防の包帯”を巻くような発言をしていました。そしてその傷は、実際に突き刺さるような形で、しかも広範囲にわたって、アトレティコが数か月間抱えてきた弱点をえぐる形で訪れました。
トーナメント初戦での0-4というスコアは、厳しい自己批判と、決勝トーナメント進出のために明確に立ち直る必要があることを突きつけています。ロッカールームでは、この大敗が与えた衝撃と悪い印象を選手たちも十分に認識しています。しかしながら、繰り返されるのは「冷静さを保つべきだ」というメッセージです。初戦の相手はチャンピオンズリーグの新王者という強敵。インテルとの決勝で5-0の大勝を収めた直後、今度はアトレティコに4-0の勝利。ルイス・エンリケ率いるPSGはまさに圧巻の勢いです。
より痛みを感じるのは、「何が起きたか」よりも「どう起きたか」です。つまり、ただの敗戦ではなく、敗れ方そのものが問題でした。アトレティコは確かにダメージを受けていますが、沈みきってはいません。ロサンゼルスでのデビュー戦での出来の悪さは認めつつも、「細かい部分での差が勝負を分けた」との認識です。PSGの優位性は明らかでしたが、パリで1-2で勝利した際にも、アトレティコは相手に押される展開でした。実際、あの時のオブラクははるかに忙しく、シュートの嵐にさらされていました。ローズボウルでは、グリーズマンのかつては確実だった一撃が失敗に終わり、逆にカウンターで2-0を許す展開となりました。
主審コヴァチもまた一つの争点となりました。フリアン・アルバレスのゴールが取り消され、アトレティコが試合に戻れるチャンスを失ったからです。ヌーノ・メンデスによる接触を見落とした結果、ジュリアーノがゴールに向かっていた場面は幻に終わりました。試合時間は20分、そしてアトレティコは早い段階で数的優位になれたはずでした。代わりに退場となったのはラングレ、さらにはセルロートが80分過ぎに絶好機を外し、2-1と追い上げるチャンスを逃すなど、重要な局面はすべて味方してくれませんでした。
現時点でアトレティコはPSGとは隔たりがあるように見えます。しかし、決勝にでも進まない限り、もう一度PSGと対戦することはない見込みです。「最悪の事態はもう過ぎた」との声も聞こえます。そしてチームはアルゼンチン代表のモデルを引き合いに出しています。フリアン・アルバレス、デ・パウル、ナウエル・モリーナ、コレアといった面々を抱えるチームには、良い手本が身近にあります。かつてベンフィカに4-0で敗れ、その後リールにも1-3で敗れながら、最終的にチャンピオンズリーグのトップ5入りを果たしたという実績もあります。初戦を落とすのは決して良い兆候ではありませんが、それですべてが終わるわけではありません。ただし、あのときのアルゼンチンはサウジアラビアに内容で劣っていたわけではありませんが、今回のアトレティコは明確にPSGに押されていました。スペインもまた、南アフリカで栄冠を掴む前のスイス戦での敗戦では内容では上回っていたのです。近年の代表大会における2つの例です。
感じ方は異なりますが、「一戦一戦」がこれまで以上に大切になるといえます。シアトルとボタフォゴに勝てば、アトレティコは決勝トーナメント進出を果たせます。そうなれば、グループAの首位(ポルト、インテル・マイアミ、アル・アハリ、パルメイラスのいずれか)と対戦することになりますが、そちらは相対的に“強敵感”は薄めです。アトレティコは生き残りをかけて、戦闘モードを全開にしなければなりません。そうでなければ、マドリードへの帰路をたどるのもやむなしです。
PSG戦は現実を突きつけられるような一撃でした。繰り返される問題の連鎖。それが転機となるなら、それもまた歓迎すべきです。「今いる戦力でやるしかない」。ロサンゼルスの地ではそんな声も聞こえてきます。アトレティコは、紙の上では、残る2試合の相手よりは格上です。そしてPSGには劣っています。得失点差-4というのは大きなハンデですが、シアトルでの試合で得点を重ね、PSGがそのまま連勝街道を突き進むことを祈るしかありません(フランスのクラブが残り2試合で取りこぼすとは誰も思っていないですが、可能性がゼロとは言えません)。勝ち続けて、決勝トーナメントへ。かつてアルゼンチンが批判の嵐を乗り越えて成し遂げたように。これがアトレティコのモデルです。状況を変えたいなら、努力を示すしかありません。今こそ、それを証明すべきときです。
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