シメオネ監督率いるアトレティコ、過去の4-0敗戦からの反応

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ディエゴ・シメオネ監督のアトレティコ・マドリーは、クラブワールドカップのグループB初戦で0-4の大敗を喫しましたが、実はこれまでも同様の4-0の敗戦を3度経験しており、それぞれ2018年、2020年、そして今季に起きています。ただ、いずれのケースでも最終的には立ち直っています。

【ドルトムントでの4-0】
2018年10月24日、アトレティコはシメオネ体制下で初めて0-4の敗北を経験しました。舞台はシグナル・イドゥナ・パルク。ボルシア・ドルトムントが、それまでにない形で圧倒しました。得点者はアクセル・ヴィツェル(現在アトレティコ所属)、ラファエル・ゲレイロ(2得点)、ジェイドン・サンチョでした。なお、4得点中3点は73分以降に記録されています。

この敗戦に対し、アトレティコはその後19試合無敗という反応を見せました。まず本拠地でレアル・ソシエダに2-0で勝利し、その後サン・アンドレウに0-1で勝利、レガネスとは1-1で引き分け、再びドルトムントには2-0でリベンジしました。

最終的に、2018年10月27日から2019年1月29日までに12勝7分を記録し、次に敗れたのは2019年2月3日のベティス戦(0-1)でした。

この当時のメンバーで、現在も在籍しているのは監督のディエゴ・シメオネに加えて、GKヤン・オブラク、DFホセ・マリア・ヒメネス、MFトマ・レマル、、FWアントワーヌ・グリーズマン、アンヘル・コレアの6人です。

【ミュンヘンでの4-0】
2020年10月21日、チャンピオンズリーグでの試合、アトレティコはバイエルン・ミュンヘンにアリアンツ・アレーナで0-4の大敗を喫しました。この頃アトレティコはラ・リーガでは好調でしたが、ハンジ・フリック監督率いるバイエルンに圧倒されました。アトレティコの出場選手にはルイス・スアレス、ジョアン・フェリックス、、エクトル・エレーラ、、レナン・ロディ、フェリペ、サビッチ、トリッピアー、オブラクが含まれていました。

スロベニア人GKオブラクはこの日4失点を喫しました。28分にキングスレイ・コマンが先制、前半終了前にレオン・ゴレツカが2点目、66分にトリソが3点目、72分に再びコマンが4点目を決めました。

この敗戦をきっかけにシメオネ監督はシステムを見直すことになります。伝統的な4-4-2はバイエルン戦で脆弱であったため、その後はより頻繁に5-3-2の布陣を採用し、このシステムで2020-21シーズンのラ・リーガ優勝を成し遂げました。これがクラブにとって最後のタイトルとなっています。

この敗戦後、アトレティコは3連勝で反応しました。2-0でベティスに勝利、3-2でザルツブルク、1-3でオサスナを下しました。この間、ジョアン・フェリックスが4得点、マルコス・ジョレンテが2得点を記録しました。その後も11試合無敗(8勝)、22試合中17勝という好成績を収めました。

【リスボンでの4-0】
今回のパリ・サンジェルマン戦(0-4)の前にアトレティコが最後に同じスコアで敗れたのは、2023年10月2日のベンフィカ戦(リスボンのエスタディオ・ダ・ルス)でした。この試合ではシメオネ監督が実験的な布陣(5バック、2ボランチ、3トップ=コレア、グリーズマン、)を採用しましたが、現在とほぼ同じ選手構成で対応できず、完敗を喫しました。

前半にはケレム・アルトゥルトグルが1点目を決め、後半にはディ・マリアがPKで2点目、アレクサンダー・バーが3点目、オルクン・コクチュがPKで4点目を決めました。

シメオネ監督はこの試合後すぐに先発メンバーを変更し、次戦のレアル・ソシエダ戦(サン・セバスティアン)ではクレマン・ラングレとハビ・ガランを初めてスタメン起用。試合は1-1の引き分けとなり、守備重視の布陣で不安定なチーム状況に対応しました。

この時点でシーズン11試合目でしたが、そのうちわずか5勝と、序盤戦は不調でした。

その後もアトレティコは苦しみます。ソシエダ戦の後にはレガネス戦で逆転勝ち(0-1から69分に同点、81分に逆転)を収めますが、その後2連敗。1つは内容的に勝ってもおかしくなかったリール戦(1-3)、もう1つはベティス戦(0-1)での完敗で、これが転機となりました。

アトレティコはこの時、自らの原点に立ち返ることを決意します。シメオネ時代の本質、守備を第一とする姿勢に回帰することを明言しました。その直後、カタルーニャ地方の地方リーグチーム、ビックとの試合では苦しみながらも0-2で勝利。その後、公式戦15連勝を達成し、チャンピオンズリーグではグループステージ5位、ラ・リーガではウィンターチャンピオン(前半戦首位)に輝きました。

この流れの中で、ジュリアーノ・シメオネがレギュラー定着を果たし、チームに台頭していくことになります。

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