ディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリーと、ルイス・エンリケ・マルティネス率いるパリ・サンジェルマン(PSG)ほど、監督の色が濃く出ているチームはヨーロッパでも数少ないです。両者はクラブワールドカップで通算16度目の対戦を迎えますが、これまでの対戦成績はアルゼンチン人であるシメオネの4勝に対し、スペイン人のルイス・エンリケが9勝を挙げています。
両監督は細部にまでこだわる綿密な戦術家であり、アメリカで開催されるこの世界的舞台である今週日曜、ロサンゼルスのローズボウルにて、それぞれの戦術とアイディアをぶつけ合うことになります。
これまでに両者は15回対戦しています。直近の対戦では、チャンピオンズリーグ・グループステージ第4節にて、シメオネのチームが1-2で勝利を収めました。この試合では、PSGが支配しながらも攻撃が不発に終わり、9本のシュートのうち枠内は1本のみで、終盤に予想外の敗戦を喫しました。
試合終了間際には、ヤン・オブラクのロングキックからアントワーヌ・グリーズマンがドリブルで運び、最後はアンヘル・コレアが決めて1-2としました。ジャンルイジ・ドンナルンマがこのアルゼンチン人アタッカーのシュートを止められなかったことで、パルク・デ・プランスは静まり返りました。PSGはそれまでに十分なチャンスを作っていたにもかかわらず、です。
試合後の記者会見で、アストゥリアス出身のルイス・エンリケ監督は、「最もよく当てはまる言葉は“説明不能”です。不公平と言ってもいいでしょう」と悔しさをにじませていました。
この試合は、シメオネがルイス・エンリケから挙げた4勝のうちの1つです。別の1勝は、2015-16シーズンのチャンピオンズリーグ準々決勝で、アトレティコが当時の本拠地ビセンテ・カルデロンで2-0と勝利し、2試合合計でバルセロナを下した試合です。このときはグリーズマンが2ゴールを決めました。
第1戦では、カンプ・ノウでの試合中にフェルナンド・トーレスが35分に退場となるも、試合開始直後に“エル・ニーニョ”が先制点を挙げ、アトレティコは0-1でリードしていました。最終的にバルサは2-1で勝利しましたが、2戦合計でアトレティコが勝ち上がる形となりました。
残りの2勝は、ルイス・エンリケがセルタを率いていた時代の初対戦時に記録したもので、アトレティコは2013年10月6日に2-1、2014年3月8日に0-2で勝利しました。なお、アトレティコはその2013-14シーズンにリーガ優勝を果たしています。
その後、ルイス・エンリケがバルセロナの監督に就任し、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールといった強力な攻撃陣を擁していた2015年から2017年にかけては、両者は12回対戦し、前述の2-0のアトレティコ勝利と2引き分けを除き、シメオネは9敗(うち7連敗)を喫しています。スコアは、2015年に3-1、1-0、2-3、0-1、1-2、そして2016年に2試合続けて2-1といった結果でした。
これら15回の対戦で、シメオネのチームが無失点に抑えたのはわずか2試合のみです。アトレティコが挙げた得点は18点、ルイス・エンリケのチームは22点を記録しています。
監督として対戦する以前に、両者は選手としても顔を合わせており、シメオネが所属していたセビージャ、アトレティコ・マドリー、アルゼンチン代表として3勝を挙げています。一方のルイス・エンリケは、バルセロナ、レアル・マドリー、スペイン代表で7勝を収めています。なお、引き分けは3回ありました(1992年〜1999年の間)。
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