アトレティコ・マドリーがこの夏の移籍市場で補強すべきポジションの一つが、左サイドバックです。そして、メトロポリターノで当初想定されていた補強戦略とは少し異なる形で、移籍市場が進行しています。ミゲル・グティエレスやアルバロ・カレーラスといった第一候補たちは、交渉初期の段階で次々に消えていきました。
アレックス・グリマルドのケースのように、いったん保留とされたものもあります。グティエレスについては、ジローナ側の高額な金銭的要求と、選手本人がレアル・マドリーを待つ姿勢を崩さなかったことが、最終的に獲得断念の決め手となりました。現在、彼の移籍先としてはユベントスが有力と見られています。
カレーラスの場合は、最終的にレアル・マドリーが割り込んできたことが決定的でした。この交渉も、そもそも費用が非常にかかるものでした。また、レバークーゼン所属のバレンシア出身選手(=グリマルド)についても、現時点ではアトレティコの優先事項とはなっていません。
こうした状況の中、ここ数日で新たな移籍のチャンスが浮上しました。アトレティコは当初その可能性を想定していなかったものの、左サイドバックの問題をスポーツ面で大きく解決できるかもしれない選択肢です。それが、ACミラン退団が決まっているテオ・エルナンデスです。
テオ・エルナンデスは、アトレティコ・マドリーの下部組織出身のフランス人選手であり、現在はサウジアラビアのアル・ヒラルから非常に強力なオファーを受けています。同クラブは、当初テオが提示を断ったにもかかわらず、ここにきて再び強くアプローチしており、3年契約で1,800万~2,000万ユーロ(年600万~約670万ユーロ)という、経済的な観点からはほぼ拒否できないような提案です。
しかしながら、テオ本人はすぐに決断せず、熟考する時間を求めました。というのも、アル・ヒラルからのオファーを受け入れるということは、まだ27歳という若さで競争力の低いリーグに移ることを意味し、さらには次のワールドカップも控える中で、ヨーロッパのトップレベルから遠ざかることになるからです。
彼が熟考の時間を求めている理由は、アトレティコからのオファーをいまだに待っているからです。彼にとっては、自分が育ったマハダオンダに帰ることを魅力的に感じているのです。しかしながら、アトレティコからの提案は、ミラン側にとってあまり魅力的な内容ではありません。というのも、イタリアのクラブはすでにアル・ヒラルと、固定額と変動額を含めておよそ3,000万ユーロで合意に達しているからです。
ロヒブランコ側は、対価としてナウエル・モリーナを含める案も検討していますが、ミランは金銭のみを求めています。このため、アトレティコが提示額を引き上げなければ、この交渉を覆すのは難しい情勢となっています。
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