「私たちにはあのフリアンが必要です。探し求めていた彼がここにいますし、彼がこのチームにいることを幸せに思ってくれていたら嬉しいです。私たちは全員で彼の才能を最大限に引き出せるように支えていきます。」こう語るのはディエゴ・パブロ・シメオネ監督です。いつものようにアトレティコ全体の想いを代弁しながら、クラブが描く未来の計画について触れました…その未来において、フリアン・アルバレスはプロジェクトの中心的存在となっています。
アルゼンチン人である彼は、当時絶好調だったマンチェスター・シティを離れ、アトレティコに加入するという予想外の決断をしましたが、クラブは最初の瞬間から彼に愛情とサポートを与えました。そして今、グリーズマンの存在感が薄れたことで、“アラーニャ”(フリアンの愛称)がこれからのアトレティコの中心選手として据えられることになりました。
アトレティコで幸せに
シメオネ監督が繰り返し語るように、フリアンを幸せにすることはロヒブランコの生態系にとって非常に重要です。誰もが、彼が世界王者アルゼンチン代表の主力フォワードであると知っており、その競争心あふれる性格の彼が、自分のプレーに見合った成長をクラブに感じられるかどうかが鍵となります。
シメオネ監督はフリアンを信頼しており、それをシーズン初年度から主力として起用することで示しました。クラブも指揮官も、彼が現在・そして未来のプロジェクトの要であることを理解しています。
彼の得点力だけではありません(キャリア最多となる29ゴールを記録した今季がそれを示しています)。そのリーダーシップ、ピッチ上での献身(ジローナ戦でのセルロートの3点目が好例です)、そして成長中のプロジェクトを引っ張る能力も、得点力や攻撃センス、そしてチームへの献身と同じくらい重要です。
彼のためにビッグネームを集めること
フリアンのレベルに見合うためには、昨シーズンのように戦力を強化し続けることが不可欠です。二強(バルセロナとレアル・マドリー)とタイトル争いを繰り広げるには、もう一段階の質の向上が必要であることが明らかになっています。今季に露呈した課題を埋める選手たち、そして明確な才能を持つフリアンを支える存在が必要なのです。
この点で、アラーニャはシメオネ監督やそのスタッフと足並みを揃えており、再びタイトルを獲得するためには競争力のあるチーム作りが必要であると認識しています。今シーズン、アトレティコはリーガ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグの全てに挑みましたが、3月には主要タイトルへの希望が次第に薄れていきました。その戦いを最後まで続ける力を持つこと、そしてチームにさらなるハイレベルな選手を加えることが重要です。
クラブとスタッフは、フリアンこそがリーダーであるという確信を日増しに強めています。
次の移籍市場でどんな選手が加入しようとも、スターは誰なのかは明白です。それはフリアンです。彼はそのためにやって来ましたし、すぐにチームの主軸としての能力を誰の目にも明らかにしました。彼がリーダーとなり、シメオネ監督の全面的な支援を受けながら進んでいく姿が、クラブの未来を象徴しています。
アーセナルやリバプールなどビッグクラブからの関心が強まる
その素晴らしい活躍により、ヨーロッパのビッグクラブが次々と関心を示しています。リバプールは以前から彼の獲得を検討していましたが、現在最も積極的なのはアーセナルです。元アトレティコのスポーツディレクター、アンドレア・ベルタはフリアンのポテンシャルをよく理解しており、来季に向けての補強リストに彼の名前を加えました。
しかし、アトレティコにとって有利なのは、背番号19を背負うフリアンがプレミアリーグに戻ることに魅力を感じていない点です。リーグや言語には慣れていますが、彼はマドリード、そしてリーガという環境の方が心地良いと感じており、今季もリーグを代表する選手の一人に数えられる活躍を見せました。
バルセロナも将来的に注目
同じリーガ内には、将来的に彼を注視しているクラブがあります。それがバルセロナです。以前にもお伝えした通り、彼は2026-27シーズンにレヴァンドフスキの後継者として前線の軸となる候補としてマークされています。ただし、それはあくまで未来の話であり、現在のバルサにはそのような大型補強を実行するための財政的余力がありません。
アトレティコは高額年俸競争には参加しない方針
いずれにせよ、アトレティコはフリアンの年俸を巡る競争には参加しない方針です。彼の年俸は税引き後で700万ユーロ(加えて成果報酬100万ユーロ)ですが、たとえ他クラブがより高額のオファーを提示したとしても、クラブの給与構造を揺るがすような動きはしない考えです。なぜなら、フリアンが中心となるプロジェクトであっても、クラブには明確な給与の基準があるからです。
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