統計がル・ノルマンを後押し

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ル・ノルマンにとって、アトレティコでの初シーズンは決して簡単なものではありませんでした。ユーロ優勝メンバーとして3,450万ユーロで加入し、初日から守備の中心としてリーダーの役割を担っていたものの、9月29日にすべてが一変しました。シーズン最初の10試合中9試合に出場していた彼は、アトレティコの選手として初めて迎えたレアル・マドリーとのダービーで、試合終了の笛を聞くことなくピッチに倒れました。試合は緊迫し、最後のロングボールの競り合いの中、チュアメニの衝突により頭部外傷(TCE)と硬膜下血腫を負ったのです。

この怪我はサッカー界では珍しく、あまり知られていませんが、非常に危険な浮腫を伴います。ル・ノルマンはこの内部損傷が完全に吸収されるまで、2か月以上の離脱を余儀なくされました。心拍が上がったり、少しの運動でも再発の恐れがあり、最初は光や音の刺激を制限するところからリハビリが始まり、やがて保護用のヘルメットを着用してピッチに戻りました。ル・ノルマンはピーク時のコンディションを取り戻すのに苦労しましたが、ひるむことなく、危険な場面でも頭から飛び込むプレーを続けています。

とはいえ、やや動きが遅く感じられ、ボールを持った際には左サイドのポジションに適応するのに時間がかかる試合もありました。しかし、それでも言えるのは、スペイン代表の彼がピッチに立っている時、GKのオブラクがより安心してプレーしているということです。オブラクは6度目のサモラ賞獲得を目指しており、これはリーガ史上最多の受賞数となります(ビクトル・バルデスやラマレッツを上回る記録です)。今後出場がなかったとしても、1試合あたり平均0.79失点という数値は他の選手が追いつけないため、受賞が確実と見られています。それでも、彼は引き続きピッチに立つ構えです。

アトレティコは今季リーグ戦35試合のうち16試合で無失点を記録しています。そのうち15試合がオブラク、残る1試合はサン・マメスでムッソが出場しました。つまり、約半数の試合でクリーンシートを達成しています。総失点は27。ル・ノルマンはそのうち22試合に先発出場しており、12試合で無失点を達成しています。これは54.5%にあたります。彼が出場した22試合での失点は17、そのうち4点はメトロポリターノでのバルセロナ戦でのものです。一方で、彼がベンチスタートだった13試合では、クリーンシートはわずか4試合、わずか30.7%にとどまります。この大きな差は、ル・ノルマンの重要性を際立たせ、来季の守備陣の中心選手としての地位を強固にしています。

クラブは守備強化の第一目標としてクティ・ロメロの獲得を狙っています。守備陣のリーダーとして期待される存在です。しかし、ル・ノルマンもまた欠かせない戦力として残る見込みです。自身のベストパフォーマンスを取り戻すべく努力を続けながらも、オブラクの頼れる相棒として輝きを放っています。

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