2025年4月21日月曜日、88歳で教皇フランシスコが逝去されました。サン・ロレンソ・デ・アルマグロの熱心なサポーターであり、サッカー愛好家としても知られる教皇は、アトレティコ・マドリーとも関係があり、惜しまれつつ閉場したビセンテ・カルデロンでの最後の試合において重要な役割を果たされました。
2017年5月28日、マンサナレスのスタジアムはその歴史に幕を下ろす最後の一戦として、チャリティマッチ『伝説のフィナーレ(Final de Leyenda)』のために最後の開場を迎えました。この試合は満員の観衆の中、50年の歴史を讃えつつ、教皇フランシスコの尽力による慈善活動の一環として実施されました。試合に先立ち、クラブの筆頭株主でありCEOでもあるミゲル・アンヘル・ヒル・マリンが教皇にアトレティコのユニフォームを贈呈していました。
このイベントで得られた収益は、恵まれない子どもたちの社会統合を目的としたネットワーク「スコラス・オクレンテス(Scholas Occurrentes)」の活動に寄付されました。このネットワークは、190カ国にまたがる44万6千以上の学校および教育ネットワークを結びつけており、教皇の呼びかけにより推進されてきたプロジェクトです。
試合では、アトレティコのレジェンドたちが、レネ・イギータ、クラレンス・セードルフ、クラウディオ・カニージャ、ロナウジーニョといった引退した世界的スター選手たちと対戦しました。ブラジルのロナウジーニョは、試合前にカルデロンのピッチにキスをして別れを告げ、当時のアトレティコ主将ガビとともに「スコラスの平和のオリーブの木」を植樹しました。
試合は4対5で終了しました。アトレティコ側の得点はフェルナンド・トーレス、ペナルティによるペドロ、アレハンドロ・サンチェス、ペドラサによるものでした。対する世界選抜はカニージャ、ペナルティによるイギータ、ヤルモレンコ、クアウテモク・ブランコ、ロマンが得点しました。
当日はまずアカデミーの子どもたちによるエキシビションマッチで幕を開けました。その後、その年にそれぞれのリーグで優勝を果たした下部組織チームへの表彰が行われました。そして『伝説のフィナーレ』に出場する選手たちの紹介へと続きました。まずは訪問チームの選手が紹介され、その後、100人を超えるアトレティコの歴代選手たちが登場し、カルデロン全体から大きな拍手で迎えられました。
また、空挺旅団(BRIPAC)の隊員たちがマドリードの空からパラシュート降下し、スコラス・オクレンテスの旗、アトレティコの旗、スペイン国旗、試合で使用するボールを携えてピッチ中央に着地しました。さらに、スペイン空軍のアクロバット飛行隊「パトルージャ・アギラ」がスタジアム上空を飛行し、最初にスペイン国旗の色、続いて試合開始直前にはアトレティコ・マドリーのクラブカラーを空に描きました。
試合終了後には、アトレティコの元選手たちが場内を一周して観客からの感謝と称賛を受け、感動的なセレモニーが行われました。そして最後に、すべてのレジェンド選手たちがピッチに集まり、ビセンテ・カルデロンでの最後の一戦となったこの歴史的な試合の記念写真を撮影しました。感動に包まれたその日、教皇フランシスコの慈善の思いが中心となった一日でした。
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