コケ 2026

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昨年3月、最後に契約延長について交渉の場が設けられた際には、2025年6月までの契約が締結され、「以後は各シーズン終了時に1年ごとの更新を行う」という合意がなされました。しかしながら、実際には現在のシーズンが終了するのを待つことなく、アトレティコはコケに対する意向をすでに明確にしています。次なるプロジェクトでも彼にキャプテンを務めてもらいたいと考えているのです。

クラブ創設123年の歴史において、最も多くロヒブランコのユニフォームを着用した選手となった彼(673試合出場。次節でさらに記録を更新予定)は、かつて誰も超えられないと思われていたアデラルドの553試合を大きく上回り、「チョロ・シメオネ時代」の8つのタイトルを手にし、2019年からはキャプテンとして、5歳でカンテラに加入して以来、クラブ一筋の存在です。コケは常に特別な存在でした。

そのため、約1年前に行われた直近の契約更新の際には特別な配慮がなされました。とくに、シメオネ監督の契約延長を機にクラブが経済再編計画を進めていたこともあり、交渉の場に立つすべての選手が報酬の削減を受け入れる必要がありました。コケの場合、その削減幅は半分以上に及び、800万ユーロの純額年俸から、300万〜400万ユーロの間に下げられました。

このような経済的努力は、感情面の判断がなければ成立し得なかったでしょう。実際、コケは報酬削減に対し、最低でもあと2シーズンの契約延長(または1年+目標達成による延長)で埋め合わせることを望みましたが、その希望は実現しませんでした。それでも彼は最終的にサインをし、今季終了後に再度話し合うことに同意したのです。

現在では、「いつ、どのようにアトレティコでのキャリアを終えるかは、本人が決めるべきである」という見解がクラブ内で共有されており、それほどまでにコケは特別な存在とされています。そしてクラブの幹部は、少なくとももう1シーズン、彼にキャプテンを任せたいと考えています。そのため、2026年までの契約延長案が準備されており、これは来季プロジェクトの設計における最初のステップの一つとなる予定です。

誰にとっても不可欠な存在
コケの出場時間は過去のシーズンと比べてかなり減少しています(今季は現時点で2,192分の出場で36試合。シメオネ監督が就任した2011-12シーズン、当時19歳の彼が40試合で1,914分だったことを思えば、近い水準です)。しかしながら、チームへの貢献は単なる出場時間をはるかに超えています。

実際、キャプテンは自身の控え扱いを受け入れ、チームのために個人の利益を後回しにし、若手を支え、クラブの価値観を新加入選手へ伝えるなど、模範を示してきました。これらは数値化できない貴重な資質であり、フィジカルの負担が軽減されることで依然として高水準のプレーが可能(試合のポゼッションコントロールにおいて彼以上の選手はいません)であることからも、アトレティコは彼を「最低でもあと1年」必要な存在として見なしているのです。

グリーズマンにとって理想的な手本
グリーズマンの来季以降の去就は、契約が2026年までであるためコケとは状況が異なりますが、「クラブに多大な貢献をしてきた選手に対しては、退団の判断は本人に委ねられるべき」というアトレティコの方針においては共通しています。

とはいえ、今季前半戦は例年通りの活躍を見せていたグリーズマンも、ここ2ヶ月は明らかに調子を落としており、今後もチームに決定的な違いをもたらせるのかどうかには疑問もあります。

そうした中、コケはまさにグリーズマンにとって理想的な手本といえる存在です。アトレティコは、グリーズマンが絶対的なレギュラーではなくなるという新たな役割を受け入れ、出場時間を減らしつつもベンチからでも貢献できる存在となり、必要に応じて試合を「選ぶ」ような形であっても、質の高いプレーを発揮できるのであれば、非常に有用な選手であり続けると考えています。もはや「スター」ではなく「キャプテン」としての役割が求められているのです。

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