アレクサンデル・セルロートは、アトレティコ・マドリーおいて重要な選手の一人です。しかし、その役割は、昨シーズン23ゴールを記録し、不運なケガによってピチチ賞を逃したストライカーが想定していたものとは異なります。
アトレティコでは、ノルウェー人FWは自身のサッカー観を変える必要がありました。ビジャレアルでは絶対的なレギュラーでしたが、現在のクラブではそうではありません。それでも、シメオネ監督の下で最も重要な選手の一人となっています。
この変化は、決して簡単なものではなかったと本人も語っています。「最初は難しかったです。昨シーズンはすべての試合に出場していましたが、今シーズンはベンチにいる時間が長くなりました。最初は慣れるのが大変でしたが、今はとても快適に感じています」と、3月21日にFIFAのインタビューで語りました。
控えの価値
「シカリオ」の異名を持つセルロートは、シメオネ監督が説いた「プレー時間の量ではなく質」という考え方の重要性を理解するようになりました。「良い控え選手でいることは、サッカーで最も難しいことの一つです。キャリアの初期にはとても苦労しました。レギュラーにしてもらえないことに腹を立て、ベンチでは感情に支配され、常に『自分は試合に出るべきだ』と思っていました。でも今は完全に集中できています。自分はタイトルを争うチームにいるのだから、精神的に準備を整えなければなりません。ピッチに立てば、常に相手にとって危険な存在でいられます」と、新たな役割について語りました。
ラ・リーガでの21試合で9ゴールを記録し、直近ではバルセロナ戦で試合終盤に決勝ゴールを挙げました。先発出場はわずか8試合ながら、90分あたりのゴール率は0.91と非常に高く、2ゴール以上を決めている選手の中では、ロベルト・レヴァンドフスキに次ぐ数字を記録しています。公式戦全体では15ゴール2アシストを記録しており、さらに驚くべきは、ヨーロッパ5大リーグにおける「最も優れたスーパーサブ(途中出場選手)」として、ベンチから8ゴールを決めている点です。
シメオネ監督の下で
セルロートは、シメオネ監督の指導についても語りました。「彼のサッカーに対する情熱は疑いようがありません。長年同じクラブを率いていれば、勝利への渇望を失うこともあるでしょう。でも彼は違います。その熱意は伝染するんです。今シーズン、何度もそれを実感しました。たとえ10人で戦うことになっても、試合終了10分前に負けていても、僕たちは常に自分たちを信じて戦っています。それはディエゴ(シメオネ監督)の力です。彼が僕たちを信じてくれているし、彼自身がサッカーに情熱を持ち続けているからです」と語りました。
また、アトレティコでの最初のシーズンについても前向きに捉えています。「全体的に、とてもポジティブです。シーズン序盤は結果が思うように出ず、厳しい試合もありましたが、10月や11月以降は落ち着いてプレーできるようになりました。チャンピオンズリーグではプレーオフを経ずに決勝トーナメント進出を決め、リーグタイトル争いも続いています。
また、マドリードにはすぐに馴染めました。スペインで一番好きな街なので、以前からよく訪れていました。サン・セバスティアンやバレンシアに住んでいた頃も、よく遊びに来ていましたし、大都市の生活は気に入っています。特にレストランが好きで、選択肢が豊富なのが魅力的ですね」と、スペインでの生活についても語りました。
「まだタイトル争いに絡めていることは素晴らしいことです。こういう大一番のためにサッカーをしているのですから。それが、このクラブに加入した理由の一つでもあります」と、シーズン終盤への意気込みを語りました。
クラブワールドカップへの期待
最後に、アトレティコが今シーズン大きな期待を寄せるクラブワールドカップについても言及しました。「チーム全員がこの大会を楽しみにしています」と語るセルロートは、シーズンを成功で締めくくることを目指しています。「クラブワールドカップがなければ、普段対戦することのないチームとも戦うことになります。異なるサッカースタイルのぶつかり合いはとても興味深いものになるでしょう。ブラジルのサッカーについては誰もがイメージを持っていますが、実際に体験できるのが楽しみですし、アメリカのチームと対戦するのもワクワクします」と期待を語りました。
「アメリカは、スポーツイベントを盛り上げる才能があります。この大会もきっと大きな関心を集めるでしょう。僕自身、アメリカは大好きです。これまで何度もバカンスで訪れました。マイアミ、ロサンゼルス、ニューヨークなどいろいろな場所に行きました。今度はそこでプレーできるのが楽しみです」と締めくくりました。
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