ヴィツェル、アトレティコでのカウントダウン:「どんなオファーにもオープンです」

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アクセル・ヴィツェルは、輝かしいサッカーキャリアの最終章を迎えています。アトレティコでの時間も残りわずかとなり、契約満了が迫る中、ディエゴ・パブロ・シメオネのプランからもほぼ外れています。

現在36歳のヴィツェルは、アトレティコ・マドリーの直近13試合で1分も出場していません。最後にピッチに立ったのは、1月25日のビジャレアル戦でした。それ以降、試合出場の機会はありません。

昨シーズンは、シメオネのもとで最も多くのプレー時間を記録したフィールドプレーヤーでした。その活躍が評価され、自動的に1年契約を延長することになりました。本人は継続について多少の迷いを見せていましたが、シメオネの信頼を受け、チームに残る決断をしました。

しかし、今シーズンに入り状況は一変しました。3バックから4-4-2のシステムへ変更されたことに加え、ル・ノルマンやラングレの好調ぶり、さらにヒメネスの存在感が、ヴィツェルの立場を厳しくしました。昨シーズンの5-3-2システムでは、彼の優れたポジショニング、正確なパス、どんな状況でも落ち着いたプレーが重要な役割を果たしていましたが、現在は状況が大きく異なっています。

ヴィツェルは、現在チーム内で4番手のセンターバックという立ち位置です。昨年10月から11月にかけては、ル・ノルマンの頭部負傷の影響で6試合連続で出場し、良いパフォーマンスを見せました。しかし、2024年秋にロビンが復帰すると、再びベンチに戻ることになりました。

さらに問題なのは、ヴィツェルが今シーズンのアトレティコ・マドリーで830万ユーロ(約13億円)の年俸を受け取っていることです。これはシメオネ監督のもとで最も高額なディフェンダーの給与であり、クラブは来シーズン以降、このコストを抱え続ける意向はないと考えられています。

ヴィツェルの今後
ヴィツェルの周囲の関係者によると、彼はまだサッカーを続ける意欲を持っています。家族の事情を考慮し、アトレティコに残ることに抵抗はないものの、現実的には退団を受け入れているようです。そして、移籍先の選択肢についても幅広く考えています。

「中東のクラブ? 正直なところ、まだ何も考えていません。ロシアや中国でもプレーしましたし、特にこだわりはありません。むしろ、どんなオファーにもオープンです。本音を言えば、自分の将来についてあまり心配していません。最終的には、シーズン終了時点でテーブルに載るオファー次第です」と、ヴィツェルは1週間前にベルギーの新聞『ル・ソワール』に語っています。

彼の去就に関して、古巣であるスタンダール・リエージュへの復帰の可能性は低いとみられています。ヴィツェル自身も「スタンダールに戻るなら、選手ではなく別の役割になるでしょう」とコメントしています。

近年、ヴィツェルはMLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)やサウジ・プロリーグから関心を寄せられていましたが、妻と相談のうえ、これらのオファーを断り続けてきました。しかし、今後はヨーロッパのビッグクラブからのオファーの可能性もあると見られています。

「ロシアに行ったときは、子供が生まれる前でした。しかし、中国に移籍したときはすでに娘たちがいたものの、その決断を下しました。確かに、今のほうが難しいですね。娘たちは小学校に通っているので、より慎重に考えなければなりません。でも、どうなるかは分かりません。すべての要素を考慮して、正しい決断を下す必要があります」と語りました。

「スポーツ面、家族のこと……正直、そこまで気にしていません。今の自分は、これからの試合に集中することが最も重要だと思っています」と、ヴィツェルは締めくくりました。

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