チャンピオンズリーグのラウンド16の試合はPK戦で決着しました。そのPK戦では、VARのアシスタントを務めたトマシュ・クヴィアトコフスキ氏が、フリアン・アルバレスのPKを取り消すという決定を下しました。その理由は、アルバレスが蹴る際に滑り、ボールに二度触れたと判断されたためです。
しかし、テレビで流れた複数の映像を見ても、その動作ははっきりとは確認できませんでした。それにもかかわらず、VARの判定がわずか1分以内で下されたことには、多くの人が驚き、困惑しています。なぜなら、より明白な事例でも判定に数分かかることがあるからです。この出来事により、アトレティコのサポーターだけでなく、ヨーロッパ中の一部のファンが怒りを感じています。
過去の類似ケース
PK戦で似たようなケースが発生した事例がいくつかありますが、そのときの判定は今回とは異なっていました。
最も有名なのは、カタールW杯決勝のPK戦での出来事です。リオネル・メッシも同じく二度触れたように見えましたが、その場面は見直しもされず、取り消されることもありませんでした。アルゼンチンは最終的にPK戦でフランスを破り、優勝を果たしました。
また、昨年のコパ・デル・レイ決勝戦(マジョルカ対アスレティック・ビルバオ)でも、ミケル・ベスガのPKの際に同様のケースがありました。彼も蹴る際に滑りましたが、二度触れたとは判断されず、VARでの確認も行われませんでした。そのときも、今回のような即座の判定はなされていませんでした。
さらに、アルゼンチンのスポーツ紙「Olé」は、1999年の出来事を振り返っています。その年、マルティン・パレルモがボカ・ジュニアーズ対プラテンセ戦でPKを蹴った際、彼は滑ってしまい、ボールが両足に触れてゴールインしました。しかし、FIFAはこのプレーを検証した結果、ゴールを有効と認定しました。その理由は、二度触れたのが「意図的ではなく、偶発的なものだった」ためです。FIFAの公式声明には以下のように記されています。
「ゴールは有効と判断される。選手は滑った際に偶然ボールに二度触れたが、意図的なものではなく、不正な利得を得ようとしたわけではない。」
VAR判定への疑問
これらの3つの前例を考えると、今回のVARアシスタントによる判定は納得しがたいものです。また、主審のシモン・マルチニアクが、モニターで映像を確認することなくVARの判断をそのまま受け入れた点にも疑問が残ります。今回の判定は、大きな波紋を呼ぶことになりそうです。
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