ガランのハンドがPKとならなかった理由

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メスタージャで行われたバレンシア対アトレティコ・マドリーの試合の55分、オマール・サディクのシュートがハビ・ガランの手に当たりました。ボールはゴールへ向かっていましたが、VARでの確認後、主審のブスケツ・フェレールは、試合中に「問題なし」と判断した自身の決定を覆さず、モニターでの確認すら行いませんでした。

ボールがガランの手に当たったことは疑いようのない事実です。ディエゴ・シメオネ監督もPKだと考え、ユーロ(欧州選手権)でのククレジャのケースと比較しました。それでは、なぜPKとはならなかったのでしょうか?

その答えは、2024/25シーズンのルールにあります。ガランの腕は自然な位置にあり、下に向いており、スペースを広げてゴールを防ごうとしていたわけではありません。もし手が体から離れていたり、より高い位置にあった場合はPKとなったでしょう。

ハンドに関する規則

以下の場合は「反則」とみなされます:

意図的なハンド
– 選手が意図的に手や腕でボールを触る場合(例:ボールの方向へ手を動かす)。

不自然な位置でのハンド
– 選手が手や腕を広げてスペースを占有し、相手のパスやシュートを阻止した場合。

このような状況には以下が含まれます:
– 手や腕が明らかに体から離れている場合。
– 手や腕が明らかに肩より上にある場合。

偶発的でも即座に得点につながるハンド
ゴールを決めた選手が:
– 直接手や腕でゴールを決めた場合(偶発的でも適用)。
– 手や腕にボールが当たった直後にゴールを決めた場合(偶発的でも適用)。

以下の場合は「反則」とみなされません:

自然な位置でのハンド

手や腕が体に密着している場合
– 手や腕が体の近くにあり、不自然な位置ではなくスペースを広げていない場合。

転倒時の支えとしてのハンド
– 手を支えとして使用している場合(例:バランスを取るため)。
– 転倒時に、手や腕が体と地面の間にある場合(体から離れていない限り)。

選手自身がプレーしたボールが手に当たる場合
– 選手が意図的にボールをプレーし、その後自分の手や腕に当たった場合。

味方のクリアボールが意図せず当たる場合
– 味方のクリアボールが意図せず別の守備選手の手や腕に当たった場合。

偶発的なハンドがすぐに得点につながらない場合
– 偶発的に手や腕に当たった後、すぐにゴールには至らず、ドリブルや相手のかわしなど別のプレーが挟まった場合。


ハンドによる懲戒処分
ハンドの反則に対する処分については、前シーズンに変更が加えられました。以前は、枠内シュートを阻止したハンドにはイエローカードが提示されていましたが、明白な得点機会を阻止した場合のみレッドカードが適用されていました。しかし、昨シーズンからは「枠内シュートを阻止したからといって必ずしも有望な攻撃を阻害したとは限らない」として、審判はそのようなハンドに対する警告を控えることになりました。

また、意図的ではないハンドがPKと判定された場合、処分のレベルが1段階軽減されるようになりました。これは、ペナルティエリア内のファウルの際、相手との競り合いの可能性が考慮される場合に処分が軽減される原則と同様です。

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