ジョアン・フェリックスは迷走を続ける─シメオネが今なお“最高の”監督

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この冬の移籍市場で大きな話題となったのが、ジョアン・フェリックスのミラン移籍でした。ポルトガル人アタッカーは、チェルシーでエンツォ・マレスカの構想にほとんど入らなかったこともあり、移籍市場の締め切り直前に今シーズン終了までのレンタル移籍が決まりました。

またしても新たな挑戦となるフェリックスですが、彼はいまだにどのクラブでも継続して活躍できる環境を見つけられていません。事実、意外にも彼が最も出場機会を得ていたのはアトレティコ・マドリー時代であり、指揮官ディエゴ・シメオネのもとでプレーしていたときが、ベンフィカを去って以来、最も良いパフォーマンスを発揮した時期だったのです。

シメオネとの決裂、そして迷走の始まり
ジョアン・フェリックスは2023年1月、アトレティコ・マドリーを離れることを強く希望しました。アルゼンチン人指揮官との関係がうまくいかず、シメオネが求める守備の貢献に応じることができなかったためです。ポルトガル人FWは「別の環境や監督のもとでこそ、自分の本領を発揮できる」と考えていました。しかし、それは彼のキャリアにおいて何度も繰り返されるパターンでもあります。そして彼はチェルシーへ移籍しました。ですが……思い通りにはいきませんでした。

アトレティコ・マドリーは2019年、バルセロナへ移籍したグリーズマンの移籍金1億2,000万ユーロを、当時ベンフィカで頭角を現していたジョアン・フェリックスの獲得に投じました。ロヒブランコでの2年目には、ラ・リーガで31試合に出場し7ゴールを挙げ、チームのリーグ優勝にも貢献。特にシーズンを通じて足首に痛みを抱えながらもプレーを続けるなど、献身的な姿勢を見せました。

しかし、翌シーズンはリーグ戦で1ゴール増やしたものの、出場試合数は7試合減少。その後、状況は悪化し、記者会見でフェリックスに関する質問が頻繁に飛ぶようになりました。そして2023年夏、フェリックスはバルセロナ移籍を希望。アトレティコは完全移籍での放出を望んでいましたが、結局フェリックスはレンタルという形でバルサ行きを実現させました。

バルセロナでのスタートは好調で、彼自身も正しい選択をしたかに思われました。しかし、時間が経つにつれパフォーマンスは下降。それでも、アトレティコ戦では決勝ゴールを決め、ロヒブランコのファンを激怒させるようなセレブレーションを披露するなど、関係は完全に決裂しました。

チェルシー、そして新天地ミランへ
そしてフェリックスは契約上、再びアトレティコに戻ることになりました。しかし、彼の去就が不透明な中で、プレシーズンではシメオネのもとでチームの一員として過ごすことに。その後、チェルシーが再びレンタル先として浮上し、彼は移籍金5,200万ユーロでプレミアリーグへ渡ることになり、ついにアトレティコとの関係は終焉を迎えました。

それでも、彼はマレスカ率いるチェルシーの構想に入ることはできず、今度はミランへのレンタル移籍が決定。ポルトガル代表の同胞であるセルジオ・コンセイソン監督のもとで、自身の真価を証明する機会を得ることになります。

25歳となったジョアン・フェリックスは、依然としてキャリアの安定を見つけられずに迷走を続けています。そして皮肉なことに、彼のキャリアの中で最も高いパフォーマンスを引き出したのは、今もなおディエゴ・シメオネなのです。

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