アトレティコ・オサスナは、リーグ戦の最終節の前にメトロポリターノでアトレティコ・マドリーと対戦します。この状況はロヒブランコのサポーターにとって非常に良い思い出を呼び起こします。なぜなら、前回同じ状況が起こったとき、コルチョネロスは最後のタイトルを獲得したからです。
時は2021年5月16日、ラ リーガ最終節の一つ前、アトレティコ・マドリーは首位としてこの試合に臨んでいました。勝ち点80でトップに立っていたものの、僅か2ポイント差でレアル・マドリーが追走しており、優勝争いは緊迫した状況でした。しかし、レアル・マドリーはアトレティコ・マドリーとの直接対決で勝利しており、トータル得失点差でわずかにリードされていました。そのため、シメオネ監督率いるアトレティコ・マドリーにとって、優勝の可能性を維持するためにはこの試合に勝利することは絶対条件でした。一方、対戦相手のオサスナはすでに残留が決まっており、ヨーロッパカップ戦出場権獲得の可能性もなかったため、モチベーション面では不利な状況でした。紙面上で見れば、アトレティコ・マドリーにとって楽な試合になると思われていました。
その試合はCovid-19の影響で他のシーズン同様に無観客で行われました。それにもかかわらず、約5,000人のファンが隣接する駐車場に集まり、コルチョネロスを応援しました。スタジアム内では90分間、歌声が聞こえていました。そして、その応援が最終的に必要でした。
コルチョネロスは試合開始から全力で試合を決めにかかりました。ルイス・スアレス、 コレア、 カラスコ、 ジョレンテ などがシュートを放ちましたが、相手GKセルヒオ・エレーラがこの日大活躍を見せていたこともあり、なかなかゴールを決められません。ウルグアイ人ストライカーのスアレスは、シュートがポストに弾かれるなど、運にも見放されていました。
試合はさらに難解な状況へと突入します。75分、オサスナがカウンター攻撃からブディミルがヘディングシュートを沈めます。オブラクがゴールラインぎりぎりでセーブを試みましたが、VAR判定の結果、ゴールが認められました。これでスコアは0-1となり、アトレティコ・マドリーは苦境に立たされます。さらに、同時間に行われていたレアル・マドリー対アスレティック・ビルバオ戦で、ナチョがゴールを決め、レアル・マドリーが1-0でリード。この結果、レアル・マドリーが勝ち点でアトレティコ・マドリーを上回り、首位に立ってしまいました。アトレティコ・マドリーは優勝するためには、残り15分間で2点を奪う必要がありました。
その直後、給水タイムがあり、シメオネ監督は選手たちに冷静になるよう指示しました。彼はゴールが来ると信じていました。それまでに多くのチャンスを逃していたにもかかわらず、シメオネだけがそれを信じていました。そして82分、ついに同点ゴールが生まれました。ジョアン・フェリックスの素晴らしいパスからレナン・ロディがアトレティコのユニフォームで初ゴールを決めました。喜ぶ時間はほとんどなく、ロディはボールを拾い、すぐにセンターサークルへ戻って試合を続けました。
同点にはこぎつけたものの、まだレアル・マドリーが首位に立っていました。しかし、逆転劇の瞬間は待っていました。88分、トリッピアーからのパスを受けたヤニック・カラスコがペナルティエリア内で相手選手をかわし、折り返したボールをルイス・スアレスがシュート。スアレスのシュートは、飛び込んできたデンベレのわずかな跳躍にも阻まれず、ゆっくりと相手GKエレーラのゴールネットを揺らしました。ついにアトレティコ・マドリーが待望の逆転ゴールを決め、スコアは2-1となりました。
選手たちは歓喜に沸き上がりました。なぜなら、この逆転勝利により、アトレティコ・マドリーは最終節を首位で迎えることができたからです。そして迎えた最終節でも、アトレティコ・マドリーは再び逆転劇を演出し、バジャドリードを下して見事リーグ優勝を成し遂げました。
このため、多くのアトレティコファンにとって、このオサスナ戦は、優勝への大きなターニングポイントとなった忘れられない一戦として記憶に残っているのです。
コメント