カタールでのワールドカップ中断期間から戻ってきたアトレティコ・デ・マドリーは、これまでとは違うチームになっていた。さらに言えば、昨冬の移籍市場で非常に重要な状況が発生してから、彼らは変わったと言える。偶然かどうかわからないが、確かなことは、アトレティコが中断期間から復帰して以来、危機感がなくなったことであり、それはジョアン・フェリックスがチェルシーにレンタル移籍したこととほぼ同じである。しかも、このポルトガル人は、この危機を新天地に持ち込んだかのようである。
確かに、クラブ史上最も高額な契約金を払って獲得した選手は、良いシーズンを送っているとは言えない。彼は危機に瀕したアトレティコ・デ・マドリーを離れ、同じく危機に瀕しているチェルシーに移籍したとも言える。彼が新しいクラブ、新しい目的地で安心し、幸せそうにしているのと同様に、グラハム・ポッター率いるチームが最高の時を迎えているわけではないのだ。
そして、この2つの状況は時期的にも一致しており、控えめに言っても印象的なことである。ジョアン・フェリックスがアトレティコ・デ・マドリーのシャツを着て最後にプレーしたのは、12月29日のリーガ・エスパニョーラ、エルチェ戦であった。それ以来、チームは10試合中、リーグ戦ではFCバルセロナ戦、カップ戦ではレアル・マドリー戦で1回しか負けていない。そしてそれらの試合では、スポーツの観点から見て良い気持ちで、どれにも値しない負け方をしたのである。ジョアン・フェリックス抜きでの勝敗は、10試合、6勝2分け2敗である。
複雑な彼らの新しい現実
逆に、彼のチェルシー、彼の新チームは、クラブのオーナーであるトッド・ボヘイ氏が、エンツォ・フェルナンデス、マドリク、バディアシレ、ジョアン・フェリックスといった重要な選手を獲得し、3億2950万ユーロを下らない費用をかけてチームを強化したにもかかわらず、頭角を現すことができずにいるのである。
そして、プレミアリーグで10位になり、ロンドナーズは来シーズンの欧州コンペティションから脱落することになる。チェルシーは現在、ヨーロッパリーグから10ポイント、チャンピオンズリーグから11ポイント離れており、不思議なことに降格を分けるのもこのポイント数である。今シーズンの移籍金が6億ユーロを超えたクラブにとっては、とてつもないことだ。
言うまでもなく、ジョアン・フェリックスのデビューは心強いものであったが、恐ろしい結果を招いた。初戦のフルアム戦では、チームの中で最高のプレーを見せたが、結局は退場処分となった。そして3試合の出場停止。
チェルシーは、このポルトガル人がピッチに立つことで試合に勝つということがどういうことなのか、まだ分かっていない。この約2ヶ月の間に彼が出場した4試合で、勝利はない。彼がピッチに立つと、チームは3敗1分けと、とてつもないことになる。しかも、彼がロンドンのチームに到着して以来、ポッターのチームが戦った7試合のうち、勝利はクリスタル・パレス戦(1-0)のみで、ジョアン・フェリックスが出場停止でスタンドにいる状態である。
それも、あまり手ごたえのないシナリオの中で。リーグカップとFAカップでマンチェスター・シティにノックアウトされ、チャンピオンズリーグではボルシア・ドルトムントとのベスト16第1レグに敗れ(1-0)、窮地に立たされたチェルシー。このポルトガル人は、シーズン終了まであと3ヶ月となった今、どの大会でも出場機会のないチームに身を置くことになりかねない。
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