ディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリード最大の武器といえば、やはり堅実な守備だ。
強固な守備ブロックは、2011年冬からスタートしたシメオネ政権のベースであり続けたのだが、今季はそれが崩れているのだ。
何よりのショックはチャンピオンズリーグでグループステージ最下位に終わったことだ。FCポルト、レヴァークーゼン、クラブ・ブルージュと同居したグループはそこまでハードルが高いわけではなかったはずだが、何とアトレティコは1勝しか挙げられなかった。
格下であるはずのブルージュにも敗れてしまい、この崩壊ぶりにはサポーターも落胆したことだろう。自慢の守備は過去の話となり、今回のグループステージでクリーンシートは僅かに1回だけだ。
『EuroSport』はシメオネ政権の危機と取り上げているが、1つの特長に挙げられるのが積極的なアタッカー補強だ。
2019年に1億2600万ユーロもの移籍金で獲得したFWジョアン・フェリックスはその最たる例だが、近年のシメオネ・アトレティコが守備より攻撃の補強に力を入れていたのは間違いない。
初期のシメオネ政権を支えたのはミランダ、ディエゴ・ゴディン、ファンフラン、フィリペ・ルイスの最終ラインだったが、彼らに代わる後釜探しにはそこまで力を入れなかった印象だ。
そのぶんフェリックスやマテウス・クーニャなど前線補強に力を入れてきたが、ヒットと呼べる選手は限られる。フェリックスもなかなか爆発せぬままだ。
リーガ・エスパニョーラ、チャンピオンズリーグを勝ち抜くために火力が必要と考えたのかもしれないが、シメオネが攻撃的なフットボールを機能させなければ話が始まらない。やはり1-0でも勝つ堅実なスタイルの方が合っていたのではないか。
守備力のピークがゴディン&ミランダ時代だったのは明らかで、守備力を維持出来なかったことはアトレティコにとって大きなダメージとなってしまった。
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