アトレティコ、ビジャレアルの土壇場オウンゴールで何とか敗戦を回避…

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29日のラ・リーガ第3節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのビジャレアル戦を2-2のドローで終えた。

開幕2連勝を果たしているラ・リーガ王者アトレティコが今回メトロポリターノに迎えたのは、ヨーロッパリーグ王者ビジャレアル。ちなみにエメリ監督はリーガで、バレンシア、セビージャ、そしてビジャレアルの指揮官として合計10回シメオネ監督のアトレティコと対戦したが、その成績は5分け5敗と一度も勝利したことがない。

シメオネ監督はこの試合からルイス・スアレス、トリッピアーは今季初めて先発で起用。スタメンはGKオブラク、DFサビッチ、ヒメネス、エルモーソ、MFトリッピアー、、カラスコ、FWアンヘル・コレア、L・スアレスで、いつもの3-5-2のシステムを使用している。

序盤からボールを保持して攻め込んだアトレティコ。しかし強敵との試合で、相手の長所を消すことに長けたエメリ監督のチームを相手に苦戦を喫する。4-4-2のビジャレアルは両サイドハーフのジェレミ・ピノ、アルベルト・モレノがアトレティコの両ウィングバックにしっかりと対応することで守備時に6-2-2のような形となり、ホームチームの自由を封じた。

それでも、アトレティコの攻撃が冴える場面はあった。まず23分、レマルのスルーパスからトリッピアーが右サイドを突破。折り返されたクロスに弾丸のような勢いのレマルが合わせたがシュートはGKルジに止められ、跳ね返ったボールをフランス代表MFがもう一度叩いたものの今度はポストに当たった。また39分にはA・コレアがルジを引き寄せてからカラスコにボールを渡すが、ベルギー代表MFのシュートはビジャレアルDF陣に止められてしまい、前半ATにトリッピアーがフリーで放ったヘディングシュートは枠の左へ飛んでいる。

後半、アトレティコは先制点を決める意欲を示し続けたが、52分にビジャレアルに速攻を仕掛けられて逆に失点……。ジェレミ・ピノのお膳立てから、マヌ・トリゲロスにミドルシュートでネットを揺らされた。しかし予期していなかった失点にも「アトレーティ! アトレーティ!」と叫び、チームを鼓舞する約2万7000人の観客。サポーターの前向きなリアクションにアトレティコがリアクションを見せたのは、失点のわずか3分後、55分のことだった。

ビジャレアルのスローインのミスから、右サイド大外のM・ジョレンテ、その内側のA・コレアとボールをつないでいき、そして最後にペナルティーエリア内のL・スアレスが右足のシュートで今季初得点を記録。メトロポリターノには「ウルグアージョ(ウルグアイ人)! ウルグアージョ!」のチャントがこだましている。

シメオネ監督は69分にカラスコとL・スアレスを下げてサウールとデ・パウルを投入。攻勢を強めて勝ち越し弾を狙ったが、またもリードを得たのはビジャレアルだった。75分、再びジェレミ・ピノがドリブル突破を見せると、今度は途中出場の新加入ダンジュマがオブラクを破った。この2失点目でメトロポリターノを覆ったものは、沈黙だった。75分の給水タイム終わり、シメオネ監督はエルモーソとレマルを下げてコンドグビア、そして加入したばかりのU-24ブラジル代表FWクーニャを投入する。

終盤、アトレティコは猛攻を仕掛けたもののビジャレアルの堅守を崩すことはかなわず、さらに彼らのカウンターにも手を焼き続ける。試合はこのままビジャレアルの勝利に終わると思われた。が、ドラマは終了間際の95分に待っていた。ビジャレアルのCBマンディが頭でGKルジにボールを渡そうとしたが、なぜかルジが前に出ていて、ボールはそのまま枠内へ……。ビジャレアルの劇的オウンゴールが決まった直後にソト・グラド主審は試合終了のホイッスルを吹き、アトレティコは土壇場で勝ち点1を獲得している。反対にエメリ監督はシメオネ監督相手に初勝利を挙げることはかなわず、それどころか、もう何があってもそうできないような印象すら残してしている。

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