アトレティコ正真正銘のエースとなったJ・フェリックス、父親を亡くしたシメオネに「この勝利をあなたに捧げさせてくれ」

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2日のラ・リーガ第30節、アトレティコ・マドリーは本拠地ワンダ・メトロポリターノでのアラベス戦に4-1で勝利した。この試合で2得点を決めたFWジョアン・フェリックスは、この勝利を父親を失ったディエゴ・シメオネ監督に捧げている。

もはや、アトレティコの正真正銘のエースになったと言っても差し支えないだろう。公式戦ここ8試合7勝1分け、ラ・リーガここ6試合全勝を収めるなど好調のアトレティコだが、主要な得点源こそがJ・フェリックスだ。アラベス戦では開始11分にチームの先制点を決めただけでなく、後半にチーム3点目も記録。ここ8試合で7得点を決める暴れっぷりである。

アトレティコが移籍金1億2000万ユーロを支払い獲得した理由を証明しつつあるJ・フェリックス。試合後会見に出席した同選手は、過去にはベンチスタートが続く日々を経験しながら、今こうして活躍を見せていることへの満足感を表している。

「これは選手の自然なプロセスだ。入団して最初からプレーする選手もいれば、最初はベンチで後から存在感を見せ、プレーし始める選手だっている。僕は努力することを決してやめなかった。いつだって自分の仕事に取り組んできたし、そうすれば駆け上がることができるんだ。チームの調子は良いよ」

「フィジカルとメンタル、どちらが自分の問題だったのか? メンタル、プレッシャーの問題だった。良いプレーを見せていたとしても、うまくいかないことがある。でも僕は最善を尽くしてきたつもりだ。ゴールが決まらないのもフットボールで、今は打てばゴールになる。10回打っても決まらないことがあったけど、フットボールはそういうものなんだよ」

J・フェリックスはまた、自分とは逆にレギュラーからベンチ要員となり、しかしこの試合で同じく2得点を決めたFWルイス・スアレスについても触れている。

「彼は28歳でも40歳でも、ずっとルイス・スアレスなんだ。いくつになってもゴールを決めるだろう。彼みたいなクオリティーの選手がいることは素晴らしい」

J・フェリックスの前に会見に出席したディエゴ・シメオネ監督は「試合前のあの光景は見るべきだった。スアレスがフェリックスに今日は2ゴールを決めろと言っていたんだよ。素晴らしい話だと思わないか」と話していた。

「確かにルイスからゴールを決めてくれと言われた。それは彼がファンタジーのチームに僕を含めていたからだ(笑)。彼に頼まれ、ちゃんとそうすることができたね」

こうして試合後会見は終了。するとJ・フェリックスは席を立つ前に、以前には不仲も噂されていたシメオネ監督へのメッセージを口にした。同指揮官は父親カルロス・シメオネ氏を亡くして、この試合のキックオフ直前の黙祷では感傷的な表情を浮かべていた。

「僕とチームはこの勝利をチョロ(シメオネ監督の愛称)に捧げる。彼は難しい瞬間を過ごしている。人生の中でも、最も難しい瞬間の一つだと思う。僕とチームは彼に寄り添いたい。この勝利は彼のものだ」

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