EURO2020に臨んでいるスペイン代表DFマルコス・ジョレンテは、右サイドバックとしてプレーすることについてどう感じているのだろうか。
レアル・マドリーではボランチを務め、アトレティコ・マドリーではアタッカーとして本格的なブレイクを果たしたマルコス・ジョレンテ。スペイン代表ではアトレティコでも何度か経験した右サイドバックとして起用され続けており、それが賛否両論となっている。
そしてスペイン『マルカ』とのインタビューに応じたM・ジョレンテは、右サイドバックの起用が世論において「ガレージに入れたままのフェラーリ」ではないかと言われていることについて問われ、次のように返答した。
「人々がそんなことを言っていたとして、僕は何て言えばいいんだよ! 人々は自分たちの思うように意見できるけど、ここに来て監督になってみたいないと分からないこともある。確かに、自分のクラブではより前に位置しているけど、プレーの方法やチームメートが違うんだ。本来のポジションでプレーしても、どうなるかなんて分からない。うまくいくって? そうかもしれないね。でも、そこに位置したって同じようなことになるのかもしれない。チームが収める結果は、僕のポジションに依存するわけじゃないんだよ」
「サイドバックとしてのプレーはとても気に入っている。僕はサイドバックとしてここにやって来たわけだし、明確な考えを持ってプレーしているよ。好きだと思えるし、満足感だって得ているんだ。代表チームのプレースタイルでは、僕が攻撃参加することも許される」
スペイン代表はMFコケが最終ラインまで下がり、その代わりにM・ジョレンテが内に入ってプレーする場面も多々見られる。
「コケは僕のことを知っているし、だから彼が下がってボールを受け、僕が中に入る形も見せている。アトレティコでプレーしているように、自分が相手の守備網を突破する機会だってあるんだ。僕たちはボールを保持するチームだから、継続的にボールに触れることができる。ここで幸せだよ」
その風を切るようなスピードをはじめ、ラ・リーガでも最高のフィジカルの持ち主として名高いM・ジョレンテだが、本人もそれが大きな武器と考えているようだ。
「フィジカル的に凄まじい才能に恵まれている? 何て言えばいいのか分からないけど、でもフィジカルについては、とても良い感覚がある。多くの選手と対戦して自分の方が上だと感じられるし、僕にとってはそれが重要なんだ。今、多くのスポーツでフィジカルが技術よりも優位に立っていて、僕にとってはポジティブに働いている。フィジカルの研鑽について、ずいぶんと時間をかけているから」
「体力的な限界を感じたことがあるか? 今季ラ・リーガの終盤戦はそうだった。自分のキャリアの中でも一番疲労していたと思う。休みが少ない、とても厳しい1年だったし、僕たちはそうしたことに慣れていなかった。加えて、チームは最後までラ・リーガ優勝を争っていたし、ほとんど限界だったね」
グループステージのスウェーデン戦(0-0)、ポーランド戦(1-1)をどちらも引き分けで終えたスペイン代表は、グループステージ突破に黄信号が灯っている。だがM・ジョレンテは、次のスロバキア戦に勝利してラウンド16に進出することへの自信を見せた。
「この状況でポジティブになれるか? そうだね。ポジティブになれない人は離れていけばいい。結局は僕たち次第であり、そこに価値を見出さなくてはならない。チームは次の試合が待ち遠しくてたまらない。自信を持っているんだ」
元オランダ代表MFファン・デル・ファールト氏は、現在のスペイン代表について「ひどいね。サイドからサイドにボールを回すだけだ。決勝トーナメントでオランダの対戦相手になってほしい」と発言していた。M・ジョレンテは元レアル・マドリー選手のこの発言について、「敬意の欠如」と断言している。
「フットボールに生きた人物が、ほかの代表チームについてそんなことを言うなんて驚きだ。敬意の欠如だよ。僕は子供の頃から、両親に他者に敬意を持つよう言われてきた。彼の素晴らしいキャリアには敬意を持っているし、彼について悪く言うことは決してない」
その一方で、ディエゴ・シメオネ監督とルイス・エンリケ監督のどちらがより激しさを伴う指揮官かを問われると、こう返答している。
「それぞれのやり方で、どちらも激しい。確かにチョロ(シメオネ監督)は、視覚的にもとても激しいね。でも代表のコーチングスタッフも彼らのアイデアを守ろうと激しさを見せているし、僕たちがそれを完璧に実行することを求めている」
「L・エンリケはボールありでもなしでも、僕たちがスピードあるプレーを見せることを求めている? そうだね。僕たちが試合を通して主導権を握ることを求めている。もちろん、それだけで勝てるというわけでもないが、負けないことにも役立っているんだ。監督は明確なアイデアを有しているし、誰かがその道から外れることは望んでいない」
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