決まり文句のように、サッカーでは何が起こってもおかしくないと言われている。これまで何度も実証されてきたように、それは真実である。
少し前までは、FCバルセロナのルイス・スアレスとアトレティコ・マドリーのアントワーヌ・グリーズマンのようなアイドルがチームを入れ替えて、リーグタイトルを決定づけるような試合で対戦するとは誰も想像していなかった。
グリーズマンは、5シーズン(2015年~2020年)、アトレティコ・マドリーの選手として活躍した。レアル・ソシエダから3,000万ユーロ(約40億円)で契約したこのフランス人ストライカーは、ゴールとアシストを繰り返す疲れ知らずの仕事ぶりで、すぐにアトレティコのファンを魅了した。そのハイレベルなパフォーマンスにより、熱狂的ファンのお気に入りの選手の一人となった。
■困難なスタート
それは、ルイス・スアレスも同じだった。このウルグアイ人ストライカーは、2014年にリヴァプールから8100万ユーロ(約107億円)で加入し、2020年まで(6シーズン)カンプノウでプレーした。ブラジルW杯でのジョルジョ・キエッリーニとの一件で4ヶ月の出場禁止処分を受けていたためデビューが遅れたが、当初は無得点の試合が何度かあったものの、得点を取り始めると、メッシ、セサルに次ぐクラブ史上3番目の得点王にまで躍り出た。
昨シーズン(2019-20)、彼らはFCバルセロナで共にプレーしたが、メッシとトリオを形成して生まれた期待には応えられなかった。シーズン途中で監督が変わり、スアレスの長期離脱はタイトルを逃した要因の一つだった。
リスボンで行われたチャンピオンズリーグの準々決勝バイエルン・ミュンヘン戦で2-8という屈辱的な結果に終わった後、給与削減と劇的な効果を必要とする変革を余儀なくされたバルサは、高額年俸と年齢を理由に、このウルグアイ人に十字架をかけた。
スアレスは、特にイタリアのサッカー界からいくつかのオファーを受けていたが、後に告白しているように「子どもたちの環境を変えたくなかった」という理由で国内のアトレティコ・マドリーを選んだ。
同じく彼は「バルサを去るのは非常に辛かった」と語っているが、それは「あまりにも一方的なやり方だった」からだ。それでも、彼は「どんな時もバルサで過ごした時間を誇りに思うだろう」と述べ、「一部の人は私がバルサで行ったことをすぐに忘れてしまうのではないか」という小さな疑問を持ってバルセロナを去った。
■現在
いずれにしても、土曜日の試合でバルサとアトレティコは、彼らを頼りにするだろう。グリーズマンは、バルサでの1年目の記録を更新し、リーガでは、デビューしたシーズンよりも3ゴール多く得点しいる。一方、19ゴールを挙げるルイス・スアレスは、バルサの選手として維持した平均得点数に近づいている(24.5ゴール/シーズン)。
グリーズマンは、最高の状態でこの決戦に臨む。直近5試合で5ゴールを決めており、その中にはコパ・デル・レイの決勝戦でのゴールも含まれている。
ルイス・スアレスは、筋肉の負傷により3試合を欠場していたが、前々節のアスレティック戦(2-1●)と前節のエルチェ戦(0-1○)でプレーしている。しかし、3月21日にワンダ・メトロポリターノで行われたアラベス戦(1-0○)以来、得点はない。
ルイス・スアレスが2020年の夏にバルサを離れた後、FCバルセロナと対戦するのは初めてとなる。2020年11月21日にワンダで行われたリーグ戦では、2回の検査でCovid-19の陽性反応が出たため、出場することができなかった。この試合はバルサの敗北(1-0)に終わり、唯一のゴールは、前半アディショナルタイムに守備のミスを突いたヤニク・カラスコによるものだった。
グリーズマンは、アトレティコと4回対戦している。最初の試合は、2019年12月1日にワンダ・メトロポリターノで行われたもので、激しい指笛が鳴り響いた試合のなかで勝利を収めた。2回目の対戦は、サウジアラビアで行われたスペイン・スーパーカップの準決勝。ゴールを決めたが敗れた。3度目は、パンデミックに陥っていた2020年8月末で、試合は引き分けだった。
コメント