7日のラ・リーガ第26節、ワンダ・メトロポリターノを舞台としたアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーのダービーは1-1のドローで終了した。
アトレティコが勝てば再び独走態勢に入り、マドリーが勝てばバルセロナも加えた三つ巴の争いが本格化するラ・リーガ優勝レースの運命を決定づけるダービーだ。
立ち上がりにボールを保持したのはアトレティコで、4-1-4-1のシステムを駆使してマドリー陣地でボールを回し、チャンス創出の機会をうかがっていった。しかしマドリーがライン間をしっかり塞いだことで、ボールを回すために回す状況が続くことになる。
一方、3トップに負傷明けのベンゼマ、アセンシオ、そしてヴィニシウスではなくロドリゴを起用したマドリーは、押し込まれる状況を少しずつ改善しようとポゼッション率を徐々に高めていく。が、しっかり攻撃を展開していた状態でアトレティコに牙を剥かれた。
15分、アトレティコは自陣右サイドのトリッピアーがメンディを眼前にスルーパスを放ち、これに反応したジョレンテが潰しにかかったナチョをかわして右サイドを突破。ジョレンテのスルーパスから、今度はL・スアレスがヴァランをかわしてペナルティーエリア内に侵入し、冷静にシュートを沈めた。ウルグアイ代表FWは6試合ぶりゴールで、これがラ・リーガ17点目。
ビハインドを負ったマドリーはここから攻勢を強めるが、右サイドバックのルーカス・バスケスにカラスコが対応することで5バックに可変するアトレティコの堅守を崩し切れない。41分に迎えたCKではフェリペのハンドを誘発したように思えたが、これはVARを交えた審議の結果、PKは取られなかった。前半はアトレティコの1点リードで終了する。
後半マドリーが攻め込み、アトレティコが堅守速攻で対応する状況は変わらず。アトレティコは53分、55分と立て続けにカラスコが決定機を迎えたものの、どちらもGKクルトワの好守に阻まれて追加点を決めることはかなわなかった。
シメオネ監督は57分に1枚目の交代カードを切り、レマルを下げてサウールを投入。レマルが位置していた左インサイドハーフに位置させる。一方のジダン監督は59分にアセンシオとロドリゴを下げてバルベルデとヴィニシウスを入れ、モドリッチをより前でプレーさせた。
しかし、その後も大勢は変わることなく、マドリーの攻撃がアトレティコに跳ね返され、アトレティコがより縦に鋭い攻撃から深く食い込んでいく。シメオネ監督は64分にカラスコをJ・フェリックスに代える。すると62分、J・フェリックスとの連係からL・スアレスがフィニッシュまで持ち込んだものの、これはクルトワの正面に飛んでしまう。対するマドリーは67分、バルベルデがミドルでゴールをうかがったが、オブラクの好守に阻まれた。
焦りを募らせるマドリーは79分、その後ベンゼマらが決定機を迎えたがオブラクの壁に阻まれ続ける。試合は、このままアトレティコの勝利で終わるかに思われた。が、マドリーはやはりマドリーだった。88分、お馴染みの劇的弾が決まる。ベンゼマがカセミロとの壁パスからペナルティーエリア内に侵入し、右足のシュートでついにアトレティコ守護神の牙城を破った。マドリーは終盤もアトレティコを攻め続けて逆転を狙ったが、結局、それ以上ゴールは生まれず勝ち点1を分け合う結果となった。
この結果、首位アトレティコと前日にオサスナに勝利していた2位バルセロナとの勝ち点差は3となり、3位レアル・マドリーとの差は5のままに。なおアトレティコはミッドウィークに延期分アスレティック・ビルバオ戦に臨み、両チームとの勝ち点差をさらに3広げられる可能性がある。
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