23日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、アトレティコ・マドリー対チェルシーは1-0でチェルシーの先勝に終わっている。
新型コロナウイルスの蔓延によってイギリスからスペインへの入国が禁止され、ブカレストのスタディオヌル・ナツィオナルで開催されることになったアトレティコのホーム戦。アトレティコにとっては、シメオネ監督が就任したばかりの10年前、アスレティック・ビルバオを破りヨーロッパリーグ優勝を果たしたスタジアムである。
システムは両チームとも3-4-2-1を採用。試合の主導権を握ったのはチェルシーで、ボールを保持し続けながら決定機を創出するタイミングを模索する。対するアトレティコは2列目のアンヘル・コレアがマルコス・アロンソをケアするべく最終ラインまで下がり、6バックに近い形で手堅い守備を見せ続けた。なお開始1分にはマウントがジョアン・フェリックスに対するファウルでイエローカードを受け、累積警告によってセカンドレグは出場停止となった。
アトレティコは自陣でボールを奪った際には、すぐさまチェルシーのファウル覚悟のプレスに潰されて攻撃を構築することができない。相手ゴールに迫ったのは、前線からのプレスが機能したときに限定された。そうして14分、右サイドのルイス・スアレスがグラウンダーのクロスを放ち、これにファーのレマルが滑り込んで合わせる。が、これは枠の左へ外れてしまう。対するチェルシーはその直後、右サイドのクロスからヴェルナーがヘディングシュートを狙ったが、わずかに合わせることができなかった。前半は手堅い展開のままスコアレスで終了する。
後半もチェルシーがボールを保持してアトレティコが速攻を狙う展開、どちらも決定機を欠く状況は変わらず。チェルシーは64分、J・フェリックスのドリブル突破を無理やり止めたジョルジーニョがイエローカードを提示され、こちらも累積警告によりセカンドレグの欠場が決定している。
そして決まるようには感じられなかったゴールが決まったのは、69分のことだった。スコアを0から1に動かしたのは、チェルシー。左サイドの展開から、ペナルティーエリア内に浮かんだボールをジルーが豪快なオーバーヘッドによって枠内に叩き込んだ。ジルーは明らかなオフサイドポジションであったが、VARの審議が入った結果、シュートの直前にボールに触れたのはアトレティコのエルモーソであったと判断されてゴールが認められている。チェルシーにとっては大切な、アトレティコにとっては手痛いアウェーゴールとなった。
トゥヘル監督はその後、73分にコバチッチ&マウントをツィエク&カンテ、80分にオドイをジェイムズに代えて好守のバランスを整える。一方のシメオネ監督は81分にサウール、A・コレア、J・フェリックスをロディ、ムサ・デンベレ、トレイラ、84分にエルモーソをビトロに代えてシステムを4-4-2に変更。猛攻を仕掛けることを決意した。
だがアトレティコは、ハフェルツとプリシッチも投入して、なおもボール保持する意思を見せるチェルシーを相手に満足な攻撃を仕掛けられず。結局、トゥヘル監督のチームがアトレティコの“代替ホーム”で行われたファーストレグを物にした。チェルシーの正真正銘のホームであるスタンフォード・ブリッジを舞台としたセカンドレグは、3月17日に開催される。
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