シメオネが破ったマラドーナ黙祷の静寂…涙をためながら拍手の音をたった一人響かせる

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現在フットボール界では、元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナ氏への黙祷によって、多くのスタジアムが試合前に静寂に包まれる。しかし28日のラ・リーガ第11節、バレンシア対アトレティコ・マドリー(0-1)で、その静寂を破る拍手が響き渡った。マラドーナ氏の同胞、アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が手を叩く音だった。

この試合の前には、マラドーナ氏及びバレンシアの元選手フアン・ソル氏への黙祷が捧げられ、シメオネ監督と同じくマラドーナ氏の同胞であるアトレティコFWアンヘル・コレアらは、うつむきながら故人となったフットボール界の伝説に思いを寄せた。しかし、シメオネ監督だけは違った。

子供の頃からの憧れだったマラドーナ氏とアルゼンチン代表及びセビージャで日々をともにし、訃報が届いた日には「ディエゴはどこにも行っていない。彼はあらゆるピッチに存在し続けている」と話したアトレティコ指揮官は、黙祷が始まるとスクリーンに映し出された同氏の顔をじっと見つめて、一人で拍手をし続けたのだった。その目には涙がたまり、赤くなっていた。

シメオネ監督は試合後、拍手の意味を問われて、次のように返答している。

「アルゼンチン人たちは大きな痛みを感じている。私たちの世代は、マラドーナになることだけを夢見てフットボールをプレーし始めた。広場でもピッチでも、マラドーナになりたいとだけ言ってプレーしていたんだ。誰もそうはなれなかったけどね(笑)」

「私は大きな拍手でもって、彼に別れを告げなければならないと思ったんだ」

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