31日のラ・リーガ第8節、アトレティコ・マドリーは敵地エル・サダールでのオサスナ戦に3-1で勝利した。
前試合RBザルツブルク戦では、ジョアン・フェリックスの加入後最高とも称せるプレーで3-2の勝利を収めたアトレティコ。今回乗り込むエル・サダールは、昨季新型コロナウイルスの中断後に彼が2ゴールを決めた舞台でもあり、その覚醒が本物であるかどうかを確かめる良い機会となりそうだ。
シメオネ監督は開幕節グラナダ戦以降、全試合でスタメンを張らせてきたL・スアレスをベンチ外に。GKオブラク、DFトリッピアー、サビッチ、ヒメネス、エルモーソ、MFマルコス・ジョレンテ、エレーラ、コケ、ビトロ、FWアンヘル・コレア、J・フェリックスを起用している。
試合は決定機こそないものの、攻守が頻繁に入れ替わるインテンシティーあふれる展開に。アトレティコは2ラインを前にしてもライン間でも常に前を向いているJ・フェリックスにボールを預け、小刻みなパスワークから縦に速い攻撃を仕掛けていった。この攻撃はスピードとダイナミズムにあふれるものの、両サイドバックの裏を狙われる危うさもうかがわせている。
そうしてアトレティコは41分、スコアを先に動かした。ビトロが左サイドからペナルティーエリア内に侵入すると、ロンカグリアに倒されてPKを獲得。キッカーのJ・フェリックスが枠の左を狙って放ったシュートは、スピード&コースともに完璧で、GKセルヒオ・エレーラの横っ飛び空しく内側のサイドネットを揺らしている。
1点差で試合を折り返したアトレティコは48分、オイエルのハンドでまたもPKを奪取する。しかし、再びJ・フェリックスが左に狙い定めて蹴ったシュートはポスト直撃。こぼれ球をA・コレアが叩いたが、クロスバーを越えていった。A・コレアはその直後も立て続けに決定機を迎えたが、シュートはポストやS・エレーラに阻まれリードを広げる機会を逸し続ける。
なかなか点差を広げられないアトレティコだったが70分、20歳のエースの右足が再び火を吹いた。オブラクのロングフィードを受けたA・コレアが強引に前を向き、フリーで走り込むJ・フェリックスに横パス。背番号7はトラップでもたついたものの器用に、素早く右足から強烈なシュートを放ち、S・エレーラの守るゴールに突き刺している。
ようやくリードを広げたアトレティコ。しかし80分には、新型コロナから回復したばかりのオサスナ新加入ブディミルにヘディングシュートを決められ、再び点差を縮められた。シメオネ監督は85分過ぎにようやく選手交代に動き、J・フェリックス、A・コレアを下げてトレイラ、レマルをピッチに立たせる。
すると89分、トリッピアーの浮き球からペナルティーエリア内に忍び込んでいたトレイラが、決定的とも言えるアトレティコの3点目を記録。アトレティコはその後のオサスナの攻撃を防ぎ切り、ラ・リーガ3連勝を果たしている(4勝2分けの勝ち点14で暫定3位に位置)。
前節ベティス戦でクラブ記録となるラ・リーガ21試合無敗(12勝10分け)を達成したシメオネ監督率いるアトレティコは、同記録を22まで伸ばした。今季は3強の中で唯一負けなし、わずか2失点、さらにはJ・フェリックスの覚醒と、もしかしたら再び優勝争いを演じることになるのかもしれない。
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