フィリペ、アトレティコ退団を発表「アトレティコは僕の心のクラブ。離れるのは辛い」

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アトレティコ・マドリーは21日、本拠地ワンダ・メトロポリターノでブラジル代表DFフィリペ・ルイス(33)の退団会見を開いた。

今夏にDFディエゴ・ゴディン、DFフアンフラン・トーレスが去ったアトレティコだが、フィリペも2人に続くことを決断した。フィリペのアトレティコ退団の理由は、ゴディン、フアンフランと同じ。同クラブは32歳以上の選手とは1年毎に契約を延長する方針を貫いているが、複数年契約を希望するフィリペは戦友2人と同じく道を選んだ。移籍先は、母国ブラジルのフラメンゴと見られている。

アトレティコで333試合に出場したブラジル代表DFは、・アンヘル・ヒル・マリンCEO、エンリケ・セレソ会長のほか、ディエゴ・シメオネ監督やキャプテンMFコケらチームの面々が見守る会見で、まず次のような言葉を述べた。

「これは退団の会見だけど、感謝の会見と呼びたい。この別れに寄り添ってくれる妻、子供たち、また重傷を負った直後に僕を獲得し、チェルシーに移籍した後にも4年契約を結んでくれたミゲル・アンヘルに感謝をしたい」

「そして、いつも良くしてくれた会長、僕を指導してくれた監督たちにも感謝を。僕は本当に恵まれている。このクラブの歴史の中でも最高の時期を経験できたんだから。本当、幸運なことだ。そして、ここにいる全員、チームメートたちにも感謝をするよ。大変な試合を戦い、素晴らしい瞬間を何度も迎えてきたね。特に、コケなしでは何も成し遂げられてはいなかっただろう。君は誰よりも僕のことを考え、誰より走ってくれていた」

「僕にとって、今日は悲しい日じゃない。落ち着いて、ここを去ることができる。だって、僕はすべてを捧げてきたんだから。全身全霊で尽くし、戦ってきたんだから、ね。僕はこのユニフォームにすべてを捧げてきた。素晴らしいプレーを見せてくれるだろう若いサイドバック(今回加入の同胞ロディ)に、 このユニフォームを譲らせてもらうよ」

「333試合に出場できるなんて想像もしていなかった。このワンダで試合を戦っていくなんて想像できるわけがなかった。このスタジアムは特別で、唯一無二だ。僕は今、選手としてアトレティコに別れを告げることになる。でも、また違う形でアトレティコに戻ってきて、ここで人生を送ることになるだろう」

その後、記者たちの質問に応じていったフィリぺは、アトレティコでの最高の瞬間として、14年ぶりにレアル・マドリーを撃破した2012-13シーズンのコパ・デル・レイ決勝を挙げている。

「あのコパ・デル・レイは素晴らしかった。その前のシーズンには4試合のダービーをすべて落としていたし、アトレティコは長い間マドリーに勝てていなかった。僕たちは試合前に始まりの場所であるロス・アンヘルス(プレシーズン合宿地)で練習して、そこからベルナベウへと向かった。そこには多くのアトレティコファンが待ち受けていて……絶対に勝たなければいけない、偉大な夜にしなくてはいけないと誓ったんだよ。そして実際に勝利をつかみ、僕たちはファンと喜び合った。その翌日、自分のキャリアの中で最も大きな幸せだと感じたんだよ」

その一方で、アトレティコとの去就に関する話し合いについては、こう振り返った。

「アトレティコとはコパ・アメリカの後に話す予定だった。冷静に、落ち着き払って決断したよ。僕はクラブの意向に沿う考えだったが、彼らは素晴らしい補強を実現したね。フットボールには今しかなくて、毎シーズン心機一転で臨まなくてはならず、競争的な陣容を組まなければならない。そして僕とクラブは、それぞれ別の道を歩むべきとの結論に至ったんだ。クラブとの話し合いは素晴らしいものだった」

フィリペはゴディン、フアンフランと同様に、アトレティコが自身の人生のクラブになったことを強調する。

「ここでの日々を忘れることなんてできない。ここで最も多くのタイトルを獲得したわけだし、代表で勝ち取ったものもアトレティコが与えてくれたと言っても過言じゃない。それにアトレティコは、僕が歩き方から変えなくてはいけなかった大怪我をした後に獲得してくれたんだ」

「アトレティコの練習場を初めて目にするときには、ここは普通のクラブなんだという印象を抱く。でも時間の経過とともに特別なものになっていくんだよ。満員となるワンダ、スタジアム内外で触れ合うファンの熱さ……。アトレティコは、最後には心に入り込んでくる」

「チェルシーに在籍してアトレティコの試合見ていたとき、良い形で去ることができなかったと心を痛めた。だから、今日は堂々と去ることができる唯一無二の機会なんだ。アトレティコは僕の心のクラブであり、心のチームだ。僕は単にこのクラブのファンなんだよ。昨日、チームのプレシーズンマッチ見ていたけど、アトレティコを離れるのは本当に辛い」

「アトレティコがうまく機能するためには、それぞれが満足感を隅に置いて、クラブのために尽くす必要がある。選手生活を終えるときには、また自分をこのクラブに捧げていく覚悟だよ」

2010-11シーズンにデポルティボからアトレティコに加入したフィリペは、合計8シーズンを同クラブで過ごし(2014-15シーズンはチェルシーに在籍)、リーガ・エスパニョーラ(1回)、コパ・デル・レイ(1回)、UEFAスーパーカップ(3回)、ヨーロッパリーグ(2回)の優勝に貢献。アトレティコ史上最大の黄金期を過ごすシメオネ監督率いるチームの絶対的主力かつ、リーガ最高の左サイドバックの一人として名を馳せた。

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