7日のコパ・デル・レイ5回戦ファーストレグ、ビセンテ・カルデロンでのアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーは2-0でアトレティコが先勝した。
コパ、チャンピオンズリーグ(CL)、UEFAスーパーカップ、クラブ・ワールドカップを勝ち取ったマドリーと、リーガエスパニョーラ、スペイン・スーパーカップで優勝を果たしたアトレティコという、ヨーロッパリーグ以外のスペイン国内外の主要タイトルを独占しているマドリッドの両雄。マドリーが勝利したCL決勝以降のダービーでは、アトレティコが2勝1分け(スペイン・スーパーカップ1勝1分け、リーガ1勝)と成績で上回っている。
アンチェロッティ監督はGKにケイロール・ナバス、DFにアルベロア、ヴァラン、セルヒオ・モス、マルセロ、MFにハメス、ケディラ、クロース、イスコ、FWにベンゼマ、ベイルを起用し、絶対的エースであるクリスティアーノ・ロナウドをベンチスタートに。一方のシメオネ監督はゴールをオブラクに守らせ、DFにヘスス・ガメス、ヒメネス、ゴディン、ルーカス、MFにラウール・ガルシア、ガビ、マリオ・スアレス、サウール、FWにグリーズマン、フェルナンド・トーレスを配置し、戦力をマドリーよりも落として今回のダービーに臨んでいる。
序盤に見せた勢いよく攻撃に出たマドリーは1分、ハメスの左CKからS・ラモスがヘディングシュートを放つも、これはオブラクの好守に阻まれる。対するアトレティコは中央を固めてマドリーの勢いを抑えていくも、グリーズマン&F・トーレスの前線に良質なパスを出せず。それでも22分にグリーズマンがヴァランの保持したボールを奪取してペナルティーエリア内に侵入したが、シュートはフランス代表DFのスライディングに阻まれた。
徐々に落ち着きを見せ始めた試合は、マドリーが最終ラインでボールを回して、アトレティコが堅守で待ち構えるという展開が延々と続く。マドリーは36分、オーバーラップを仕掛けたアルベロアの折り返しからケディラがヘディングシュートを放ったが、これは枠を捉えることができない。また45分にベイルがミドルレンジから打ったシュートも、枠外へと飛んだ。チャンスに乏しい前半は、スコアレスのまま終了のホイッスルを迎える。
後半立ち上がりは、前半同様にマドリーが攻勢を見せたが、アトレティコがカウンターを起点にしてPKを獲得。57分、ペナルティーエリア内でR・ガルシアがS・ラモスにつかまれてクロス・ゴメス主審が笛を吹き、R・ガルシア自身がこのPKを沈めた。シメオネ監督は直後にF・トーレスとの交代で温存していたコケを投入。憧れのキコ氏の背番号19をつける“ニーニョ(F・トーレスの愛称、子供の意)”は、喝采を受けてベンチに下がった。
対して、ビハインドを負ったアンチェロッティ監督は64分、ハメスに代えてついにC・ロナウドを登場させる。しかしポルトガル代表FWが積極的に仕掛けるドリブル突破も、アトレティコの堅守を崩すには至らず。一方、優位に試合を進めるシメオネ監督は、67分にリーガ屈指のファンタジスタ、アルダ・トゥランをサウールとの交代によって出場させ、74分にはグリーズマンを下げてマンジュキッチを最前列に配置した。
そしてマドリーがヘセをベンゼマに代えた直後の76分、アトレティコの追加点が生まれる。コケが蹴った右CKから、S・ラモスのマークを振り切ったヒメネスがヘディングシュートを突き刺した。アンチェロッティ監督は84分にアルベロアをカルバハルと交代させてサイドの推進力を増すも、ファンの後押しを受けるアトレティコ相手にアウェーゴールを奪えず。アトレティコが永遠のライバルに、バレンシア戦に続く敗戦を味わわせている。
なお、アトレティコ復帰後初出場を果たしたF・トーレスだが、2002~2007年に臨んだダービーは4分け5敗(得点数は1)で終えており、この一戦が記念すべき初勝利となった。リヴァプール時代には、2008-09シーズンの決勝トーナメント1回戦でマドリーと対戦し、敵地サンチャゴ・ベルナベウでのファーストレグを1-0、本拠地アンフィールドでのセカンドレグを自身の1得点含む4-0で制している。
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