14日のリーガエスパニョーラ第15節、アトレティコ・マドリーは本拠地ビセンテ・カルデロンでのビジャレアル戦を0-1で落とした。
南スタンドに陣取っていたウルトラス“フレンテ・アトレティコ”の多数が姿を消したカルデロン。代わりにスタジアム全体でチャント・コールが巻き起こるも、応援ゾーンが機能性を失った影響は拭えず、幾度も静寂がスタジアムを包んだ。そのような異常な雰囲気の中で、ラウール・ガルシア、マンジュキッチの2トップを採用したシメオネ監督のチームは序盤からボールこそ保持するものの、最後の詰めで精度を欠き続けた。
アトレティコが初の枠内シュートを打ったのは38分。ペナルティーエリア内に侵入したチアゴがアルダ・トゥランの折り返しに合わせたが、これは元アトレティコGKアセンホの好守に阻まれた。一方のビジャレアルは44分、チェリシェフがカウンターからペナルティーエリア内に飛び込むも、シュートはGKモジャがセーブ。また45分にはガビがペナルティーエリア内でハンドを犯したものの、モンテーロ主審はPKを取らなかった。
後半に入るとビジャレアルがボールを保持し、アトレティコが速攻から得点を狙う展開に。劣勢のアトレティコは56分、FKからペナルティーエリア内でフリーとなっていたマンジュキッチがボールを叩くも、再びアセンホの好守に遭う。クロアチア代表FWはさらに59分、アルダ・トゥランが鋭い切り返しから放ったクロスに反応して頭でネットを揺らしたが、飛び上がった際にファウルを犯していたとの判定でゴールは認められなかった。
シメオネ監督はその後、R・ガルシア、ガビ、A・トゥランに代えてグリーズマン、チェルチ、マリオ・スアレスを投入して打開を図るも、ビジャレアルに主導権を握られ続ける。そして84分、中盤でのボールロストからビエットにシュートを決められて失点。ラシン・クラブ時代、シメオネ監督の手によってプロデビューを果たしたアルゼンチン人FWは、モイ・ゴメスのスルーパスを前線で受け、ゴディンをかわしてから右足のシュートを沈めた。
沈黙を貫いていた南スタンドに残る“フレンテ”が、チームの失点を受けて「アトレティは玉無し!」とコールし、スタジアム全体が「出ていけ!」と反論するなどカルデロンは混沌とした雰囲気に。アトレティコは諦めることなく攻撃に出たが、ビジャレアルにリードを守り切られている。
リーガでは2013年5月のバルセロナ戦以来、582日ぶりにカルデロンでの敗戦を喫した3位アトレティコ。アルメリアに勝利した首位レアル・マドリーに勝ち点7差、ヘタフェと分けた2位バルセロナに勝ち点3差をつけられた。4連勝のビジャレアルは勝ち点27で6位に位置している。
また、セビージャは敵地イプルアでのエイバル戦をスコアレスドローで終えた。バッカの代わりにガメイロを先発させ、さらにバネガをトップ下、アレイクス・ビダルを右サイドバックで起用するなど予想外の采配を見せたエメリ監督だが、チームはエイバルの堅守を崩し切れず、得点を奪えぬまま試合終了を迎えている。両チームの連勝は2でストップ。セビージャは5位バレンシアと勝ち点2差で4位、エイバルは9位につけている。
パワー・エイト・スタジアムでのエスパニョール対グラナダは2-1でエスパニョールが勝利を収めた。エスパニョールは31分、ルーカス・バスケスの折り返しからカイセドが先制点を記録。61分にはエル=アラビに同点弾を決められるも、90分にL・バスケスのクロスから今度はストゥアニがネットを揺らし、土壇場で勝ち越した。2試合ぶりの勝利を収めたエスパニョールは11位に順位を上げ、グラナダは16位に位置している。
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