アトレティコ&デポルファンの衝突、重体男性が死亡

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30日のリーガエスパニョーラ第13節、ビセンテ・カルデロンでのアトレティコ・マドリー対デポルティボを前に両チームのファンが衝突し、重体となっていたデポルファンのフランシスコ・ロメロ・タボアダさん(43)が死亡した。

タボアダさんは、カルデロンのそばを流れるマンサナレス川に落ちて心停止状態に。その後病院に搬送されたが、アトレティコ対デポルの試合終了直後となる現地時間30日14時に息を引き取った。この衝突ではタボアダさんのほか、11人の負傷者が出ている。頭部の打撲傷3人、軽度の打撲傷3人、顔面外傷1人、刃物で傷を負った者が3人おり、また現場に駆け付けた警察官の1人が指を骨折した。

200人に上るファンの衝突は9時頃(試合開始は12時)に発生。デポルファンを乗せた数台のバスがマンサナレス川付近に到着した際に、同チームのウルトラス“リアソール・ブルース”とカルデロンの南スタンドに陣取るウルトラス“フレンテ・アトレティコ”が、物の投げ合いや殴り合いを始めた。

スペインプロリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス会長は、9時半の段階でその衝突について知り、タボアダさんが重体であることを耳にした際に試合を延期させようとスペインサッカー連盟(RFEF)にコンセンサスを取ろうと試みた。しかしRFEFのアンヘル・マリア・ビジャール会長、ホルヘ・ペレス書記長と連絡がつかず、結局は開催される運びに。J・ペレス書記長と連絡が取れたのは11時49分で、同書記長はスペイン『カデナ・コペ』に対して「スタジアムが空の状態であったならば…。もう試合を延期できる状況ではなかった」と振り返っている。

スペイン『EFE通信』によれば現在までに24人が逮捕され、その中にはラージョ・バジェカーノの“ブカネロス”、アルコルコンの“アルコル・フーリガン”と、アトレティコ同様にマドリッドに拠を構える2クラブのウルトラスのメンバーも存在しているという。“フレンテ”は極右、“リアソール・ブルース”は極左集団だが、“ブカネロス”、“アルコル・フーリガン”はイデオロギーを通わせるデポルのウルトラスに加勢していた模様。一方“フレンテ”は、今年2月に“リアソール・ブルース”と問題を起こした、スポルティング・ヒホンの“ウルトラス・ボーイズ”の協力を受けていたとされる。

なお2-0でアトレティコの勝利に終わったこの試合では、デポルファンが「人殺し」とコールし、“フレンテ”がブーイングで対抗する場面があった。

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