25日のリーガエスパニョーラ第33節、アトレティコ・マドリーは本拠地ビセンテ・カルデロンでのエルチェ戦に3-0で勝利した。
ミッドウィークにレアル・マドリーを相手にしたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝で敗退し、CL出場権獲得にフォーカスを絞ったアトレティコ。今季のキッズ・デーに指定され、1万人の子供たちが見守るカルデロンにエルチェを迎えたこの一戦では、決定機を決め切れない状況が続く。
出場停止のシメオネ監督がスタンドから見守るアトレティコは、シケイラ、コケが位置する左サイドから攻撃を構築。しかし9分、12分とラウール・ガルシアが放ったシュートはGKティトンに防がれ、23分にコケのCKからゴディンが打ったヘディングシュートはバーの上へ外れる。また38分にはコケの絶妙なスルーパスからトーレスが決定機を迎えるも、シュートのタイミングが遅れてエルチェDFにボールをクリアされた。
0-0のまま試合を折り返したアトレティコは、後半開始直後の47分にシケイラが負傷し、ブルゴス助監督は代わりにフアンフランを投入。シケイラが位置していた左サイドバックにヘスス・ガメスを据え、フアンフランを右サイドバックに配置した。そして55分、CLの失望がのしかかっていたカルデロンに歓喜をもたらすゴールが生まれる。コケのシュートをティトンが弾き、そのこぼれ球に詰めたグリーズマンがボールを押し込んだ。
先制したアトレティコは、その後もフアンフランの鋭いオーバーラップを起点に攻勢を仕掛け、63分にリードを広げることに成功。ラウール・ガルシアが右サイドから内に切れ込んで左足を振り抜くと、ボールはティトンの前でバウンドして、そのまま枠内に収まった。ブルゴス助監督はその6分後、今季のリーガ5得点目を決めたラウール・ガルシアを下げ、代わりにサウール・ニゲスをピッチに立たせている。
優位に試合を進めるアトレティコが、3点目を決めたのは76分。混戦となったペナルティエリア内でサウールがエルチェ守備陣のマークをくぐり抜けてボールを折り返すと、そこに位置していたグリーズマンがティトンを破った。前節のデポルティボ戦に続き2得点を記録したフランス代表FWはリーガ得点数を22に伸ばし、ヴィエリ氏、ハッセルバインク氏、ファルカオが保持するアトレティコ加入シーズン最多得点記録にあと2点と迫っている。
その後にはエルチェにボールを保持され、決定機も許したアトレティコだったが、GKオブラクの好守も飛び出して無失点のまま試合を終えている。リーガで3連勝を飾った3位アトレティコは勝ち点を72として、暫定ながら4位バレンシアとの勝ち点差を6、5位セビージャとの差を9に広げた。一方で3試合ぶりに黒星をつけられたエルチェは、降格圏と勝ち点9差で14位に位置している。
なお26日にクラブ創立112年目を迎えるアトレティコだが、カルデロンではエルチェ戦終了後、通常のイムノが流れるところをスペイン人歌手ホアキン・サビナが歌う100周年記念イムノが響き渡った。観衆は「何て勝ち方、何て負け方、何て苦しみ方、何て信じ方、何て夢の見方、何て死に方、何て生き方…。雲の上と下を行ったり来たり、ビバ! 私のアトレティコ・マドリー!」という歌詞を口ずさみながらスタジアムを後にしている。
コメント