バルサがアトレティコとの上位対決制す

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リーガエスパニョーラ第18節、首位のレアル・マドリー(勝ち点42)を追う2位のバルセロナ(勝ち点38)と3位のアトレティコ・マドリー(勝ち点38)よる上位対決が、11日にカンプ・ノウで開催され、バルセロナが3-1で勝利した。

バルセロナは前節ソシエダ戦をメッシやネイマールをベンチスタートとした中、低調な内容で終え0-1で敗戦。さらにこの試合後、メッシとルイス・エンリケ監督の確執が騒がれ、スビサレッタSDの解任、プジョールSD補佐の退団と不協和音が響いている。3日前に行われたコパ・デル・レイのエルチェ戦では南米トリオを先発で起用して5発大勝し負の連鎖を留めたが、優勝を争うライバルのアトレティコを下して雑音を一掃したいところ。先発メンバーにはメッシとスアレス、ネイマールの南米トリオやイニエスタなど、現状のベストメンバーが起用された。

一方、アトレティコは前節レバンテ戦(3-1)を快勝し、4日前に行われたレアル・マドリーとのコパ・マドリッド・ダービーも2-0で制して、バルセロナとは対照的なチーム状態となっている。シメオネ監督は直近のレアル・マドリー戦で温存したマンジュキッチやアルダを先発に復帰させ、負傷明けのミランダがトーレスとともにベンチメンバーに入った。

開始直後に高い位置で猛烈なプレスをかけたアトレティコがアグレッシブな入りを見せたが、時間の経過と共にボールを保持するバルセロナと引いて守るアトレティコというお馴染みの構図の下、試合が進んでいく。

立ち上がりから素早い攻守の切り替えを見せるなど、インテンシティの高さをうかがわせるバルセロナは、右サイドに張るメッシの個人技を軸に攻撃を展開。徹底的に中央を締める相手の堅守に手を焼くも、9分にネイマールとの連係からメッシがシュートを放つなど、徐々に相手を押し込んだ。すると12分、ボックス右でダニエウ・アウベスの速い縦パスを見事なトラップで収めたメッシがボックス中央の味方に折り返す。スアレスのトラップはファーサイドに流れるも、これがネイマールへの絶好のラストパスとなり、ブラジル代表FWは泥臭く押し込んだ。

早い時間帯の先制点に沸くカンプ・ノウの歓声を後押しにその後も攻勢を続けるバルセロナだが、15分過ぎにアクシデント発生。ホセ・ヒメネスのスパイクを受けたネイマールがくるぶしから流血し、担架に乗せられてピッチを後に。だが、ベンチサイドで治療を受けたネイマールは無事プレーに復帰した。22分には右サイドを突破したスアレスの絶妙な浮き球クロスをボックス左でフリーのネイマールが頭で合わせるが、コースを狙いすぎたこのヘディングシュートは枠の左に外れた。

その後もアトレティコを圧倒し続けるバルセロナは序盤から再三仕掛けていた鋭いロングカウンターから追加点を奪う。35分、相手陣内右サイドでボールを受けたメッシが右肩を使ったボールコントロールからDFを振り切り、中央に切り込んでいく。そして、ペナルティアーク付近でボックス左に走り込んだスアレスに絶妙なスルーパスを通すと、スアレスが右足インサイドを使った質の高いフィニッシュで決め切った。

序盤から味方同士の距離感が悪くファーストディフェンスに行き切れないアトレティコは、相手の強力3トップにスピードに乗ったドリブル突破を許してしまう。逆にアタッキングサードではボールホルダーに食いつき過ぎて簡単に逆を取られる、らしくない守備も目立った。何とか守備を修正したいシメオネ監督は前半終盤にメッシとマッチアップする左サイドにアルダ、右サイドにグリーズマンを配し、最前線のマンジュキッチの下にコケを移す[4-4-1-1]の陣形に変更するが、流れを掴めないまま2点ビハインドで前半を終えた。

互いに選手交代なしで迎えた後半も試合展開に大きな変化はなし。試合スタート時の陣形に戻したアトレティコは守備時のコンパクトさこそ修正されたものの、なかなか攻め手を見いだすことができない。

後半に入っても危なげない試合運びを見せたバルセロナだったが、やや不運な判定から点差を縮められる。57分、ボックス内でヘスス・ガメスの対応にあたったメッシが軽く接触し、アトレティコDFがピッチに倒れこむと、主審は迷わずペナルティスポットを差した。これをマンジュキッチに決められ、この試合初めて浴びた枠内シュートで失点した。

中盤で潰し合う状況が続いた後半半ばは、互いにフィニッシュまで持ち込むことができず、試合がこう着状態に陥る。攻め手を見いだしたいシメオネ監督は、68分にバルサキラーのトーレス、74分にセットプレー時のターゲットマンとなるラウール・ガルシアを投入。77分にはカウンターから右サイドを持ち上がったマンジュキッチがゴール前に走り込むトーレスへグラウンダーの折り返しを送るが、このボールは飛び出したGKブラーボの好守に阻まれた。

試合終盤かけても互いが持ち味を出す一進一退の攻防が続くが、バルセロナの至宝が試合を決定付けるゴールを奪う。87分、スアレスからサイドチェンジを受けたメッシがボックス右のラキティッチにボールを預け、ゴール前に走り込む。そして、ラキティッチの折り返しがラウール・ガルシアに当たりこぼれたボールを泥臭くゴールに押し込んだ。

その後、アディショナルタイムのアトレティコの反撃を危なげなく凌ぎきったバルセロナが、このまま3-1で勝利。同勝ち点で並んでいたアトレティコとの上位対決を制したルイス・エンリケ率いるチームは、クラブに漂うネガティブな空気を振り払う重要な白星を掴んだ。

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