レアル・マドリー が延長戦で勝利

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レアル・マドリーCFがUEFAチャンピオンズリーグ決勝で宿敵クラブ・アトレティコ・マドリーを破り、“デシマ”(10度目の欧州制覇)をついに達成した。リスボンで行われた一戦は劇的な展開となり、後半ロスタイムに追いついたマドリーが、延長後半のガレス・ベイル、マルセロ、クリスチアーノ・ロナウドのゴールで勝利を収めた。

スペイン・リーガで10年ぶりにマドリーとFCバルセロナ以外で王者になったアトレティコは、先週末にそのタイトル獲得を決めるゴールを挙げていたディエゴ・ゴディンが得点し、36分に先制。そのままアトレティコが欧州の頂点に上り詰めるかと思われたが、後半ロスタイム3分にセルヒオ・ラモスが起死回生の同点ゴールを決め、勝負を延長戦に持ち込む。勢いに乗るマドリーは110分にベイルが頭で押し込んで勝ち越すと、マルセロの追加点、さらにはロナウドのPKで逆転勝利をもぎ取った。

マドリーの4ゴール目の後に退席処分を受けたアトレティコのディエゴ・シメオネ監督は、ハムストリングを痛めていたジエゴ・コスタの強行出場を決断したものの、これが裏目に出る。コスタは開始から10分も経たないうちにプレーできなくなり、早々とアドリアン・ロペスと交代することに。これに対し、攻勢に出たマドリーから、ベイルとカリム・ベンゼマがGKティボー・クルトワを強襲した。

さらに、チアゴの不用意な横パスをカットしたベイルがゴールへ突進。しかしミランダが体を張り、シュートはゴールのわずか横へそれる。すると4分後、決定機を逃したマドリーに対し、アトレティコが先制。CKのチャンスで、マドリーの守備陣が中途半端にしかクリアできなかったボールをフアンフランがペナルティーエリア内へ押し戻す。これにゴディンが頭で合わせると、頭を越されたGKイケル・カシージャスは後退しながらボールをかき出そうとしたものの、ゴールを破られた。

警戒していたセットプレーから失点してしまったマドリーは、再び同じパターンから2点目を奪われそうになるが、CKに合わせたアドリアンのヘディングシュートはクロスバーの上へ。後半に入って攻め合いの様相が強まると、マドリーは再びCKのクリアに失敗するも、アドリアンのフィニッシュは選手に当たって横へそれる。一方、マドリーからはロナウドがFKでクルトワを襲い、さらにはラモスのクロスをつないでチャンスをつくったが、ベンゼマは惜しくもこれに合わせられなかった。

カウンター狙いのアトレティコに対してマドリーは攻め続け、ルカ・モドリッチとロナウドがつくったチャンスでベイルが狙うも、シュートはゴールの横へ。さらに、ベイルはロナウドのパスから抜け出したが、角度のないところからのフィニッシュはニアポストの脇へ飛んだ。時計の針は着々と進み、マドリーはゴールを奪えないまま終わるかとも思われた。しかし、ロスタイムも残り少しとなった時に、準決勝第2戦で2得点していたラモスがCKに頭を合わせて、値千金のゴールでチームを救った。

アトレティコのサポーターたちの頭には、過去唯一経験した1974年の決勝で終了間際に同点ゴールを許し、再試合でFCバイエルン・ミュンヘンに敗れた苦い思い出がよみがえったことだろう。果たして、追いついて勢いに乗るマドリーは勝ち越しに成功する。左サイドを単独で突破したアンヘル・ディ・マリアがシュート。これはクルトワに止められたものの、ベイルがリバウンドを頭で押し込んだ。

マドリーファンの歓喜が収まらないうちに、マルセロが低く抑えたフィニッシュで追加点をマーク。最後は敵陣ペナルティーエリア内で倒されたロナウドが与えられたPKを自ら決め、大会のシーズン得点記録を17ゴールに伸ばすとともに、2度のUEFAチャンピオンズリーグ決勝で得点した4人目の選手となった。最終的に4-1で勝利したマドリーは、ボブ・ペイズリー氏と並び監督として3度目の大会制覇を達成したカルロ・アンチェロッティ監督を中心に“デシマ”を祝賀。一方、アトレティコ陣営はつかみかけていたタイトルを逃してしまったことを悔やんだ。

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