UEFAチャンピオンズリーグ創設後ではクラブ史上初となる決勝に進み、大会史上初の同じ街を本拠とするチーム同士の決勝に臨むクラブ・アトレティコ・マドリー。ディエゴ・シメオネ監督はこの歩みを、「3年近く続けてきた努力の成果」だと話した。
選手としての輝かしいキャリアのなかでアトレティコに2度にわたって在籍したシメオネ監督が、指揮官として戻ったのは2011年12月だった。そのシーズン後半戦では、スペイン勢同士の対戦となったブカレストでのUEFAヨーロッパリーグ決勝で、アスレティック・クラブを退けて優勝を遂げた。
そして今季は、17日の緊迫した試合で優勝争いの直接のライバルだったFCバルセロナを抑え、1996年のスペイン・リーガ制覇を果たした。チームを率いる元アルゼンチン代表MFは最大の大一番、24日のリスボンでのUCL決勝へ向け、選手に準備を整えさせようとしている。今季ここまで無敗のUCL13試合目で対戦するのは、コルチョネロス(アトレティコの愛称)が1年前のスペイン国王杯決勝で倒した相手、レアル・マドリーCFだ。
「3年近く続けてきた努力の成果だ」とシメオネ監督はUEFA.comに語った。「私の記憶が正しければ、1年半前のUEL敗退からよく立ち直った。私たちは今も以前と変わらない謙虚さや仲間意識を持っている。GKからFWまで皆、自分たちの長所を生かし、短所を目立たせないために、自分たちにどういうプレーが求められているか、チームとしてよく分かっている。短所はあっても、それを目立たせないように努めているんだ」
アトレティコがこれまでに唯一の決勝進出を果たしたのは、欧州カップ時代の40年前のことだ。この時は、1-1の引き分けにより再試合となったブリュッセルでの決戦で、FCバイエルン・ミュンヘンに0-4で敗れた。2度目の決勝では旧知の相手で、10度目の欧州制覇“ラ・デシマ”を狙うレアル・マドリーと対戦する。
シメオネ監督もマドリーについては、「伝統的なライバル関係だ」と認めた。同監督が勝てば、いずれも同じアルゼンチン人のルイス・カルニグリア(1958年、59年のマドリー)、エレニオ・エレーラ(1964年、65年のFCインテル・ミラノ)の両氏に次いで、欧州以外の地域出身の監督としてUCLを制した史上3人目の指揮官になる。
「決勝自体もそうだし、1つの街にレアル・マドリーのような強力なチームとアトレティコ・マドリーのような闘志あるチームが存在しているという事実も素晴らしいことだ。両クラブの気質はもちろん、社会的立場も全く違う。互いに使えるものはすべて使って、魅力的なライバル関係を築いている。周囲がどちらを応援しているかに関係なくね」
では、エスタジオ・ド・SLベンフィカでの決勝で当たり、シメオネ監督率いるチームにとって今季4度の対戦で1勝しかしていないマドリーとはどんなチームなのか? 「彼らは中盤3人、前線3人でやってきたが、このところ4-4-2に変えて結果を出している」と、かつてカルチョ・カターニアを率いていた戦術家は分析する。「彼らが持っている豪華メンバーを思えば、どんなシステムで来ようと危険だということに変わりはない。マドリーはチーム全体がスター揃いで、素晴らしい選手ばかりだ」
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